4年で200倍まで価値が高騰したエラーカードの世界とは?遊戯王・MtGコレクターのたむさんにエラーカードの集め方を聞いてみた
magi社長:本日はエラーカードコレクターのたむさんに取材となります。たむさん、宜しくお願い致します。
たむさん:宜しくお願い致します。
magi社長:まずどんなエラーカードを集めているか教えていただけますでしょうか。
たむさん:遊戯王とMtGのエラーカードを主に集めています。エラーの中でもホイルズレ、レリーフ違い、二重印刷の3種類をメインに集めていますね。枠ズレやパック跡は最初集めていたのですが、より価値のあるエラーに変更しました。
magi社長:パック跡とかは特に作ることが出来そうなエラーですもんね。
たむさん: 詳細は申し上げられませんが実はネームレスを作ることも出来ます。 他方でレリーフ違いやホイルズレについては出現確率も希少になっていますからやはり価値として高いと思います。
magi社長:海外版のエラーカードは結構出回っている数も多い印象があります。エラーを出さずに印刷するという観点でのクオリティが低いと聞いたことがあります。ちなみにどうやって買い集めているんでしょうか。
たむさん:海外版だと日本語版のエラーカードに比べて1/2とか1/3の価値になってきます。最近で言うとトゥーンのカオスソルジャーのネームレスや、エンボス無しが出回りましたね。こういう種類のエラーカードが出たから欲しい人いませんかという話が海外コレクターから直で提案が来ます。パックから出て一定の同種のエラーカードをタイムリーに売り出すイメージです。
magi社長:工場から流出するものもあると聞いたことがあります。
たむさん:工場から出てくるのはアンカットシートですね。
magi社長:裏話感が凄いです(笑) コレクターとの直取引以外はどんな手段で買えるのでしょうか。
たむさん:セカイモンから買うことも多いです。最初はヤフオクやメルカリで買っていたのですが買わなくなりました。
magi社長:いくらぐらいで買っていらっしゃるのでしょうか。
たむさん:自分は運良く60万円で購入した貪欲の壺の日本語のレリーフ違いだと今120万円ぐらいで落札されたりしていますね。貪欲な壺にウォータードラゴンのレリーフが押されているものです。レリーフ違いは関西の方で流通しているものが多いみたいです。
▲貪欲な壺にウォータードラゴンのレリーフシートが転写されているレリーフ違いエラーカード。エレメンタル・エナジーに収録されてた貪欲な壺ですが、何かの手違いでウォータードラゴンのレリーフが転写されています。レリーフ違いは、他にも数枚確認されています。
超超高額貪欲な壺のエラーカード!!買っちゃいました笑
— たむさん (@tamutamu_2) June 15, 2019
貪欲のエラーは世界に1枚しかないかと... #エラーカード #遊戯王#フォロワーさんが絶対持ってないであろう物を晒せ pic.twitter.com/C3AUlINreYmagi社長:なんでそういったエラーカードが出回るのでしょうか。今の技術でもエラーって普通にパックに紛れ込んでいるのですね。
たむさん:検品しないでパックに詰めて売ってしまったみたいですね。ちなみにこの種のレリーフ違いのカードは4年前は6000円だったんですよ。2年前ぐらいにフルコンプさんで5万円ぐらいになっていました。それが120万円になっているわけなので、異常に値段が上がって来ていますね。エラーカードの価値が見直されて来ているように思います。
magi社長:たむさんはどんな経緯でエラーカードのコレクターになったのでしょうか。エラーカード以外はコレクションカードを買わないのでしょうか。
たむさん:遊戯王とMtG以外にもポケカとかでも二重印刷があれば買っています。また、エラーでなくても初期とか3期ぐらいまでのカードは今でも買ったりしてますね。本当に最初の頃はオリパを普通に買ってて、確率の壁があるので当たらないじゃないですか。当たらなくて嫌になって、シングル買いを始めて、最初は藍眼白龍や星屑の巨人とかを買っていました。その頃辺りにエラーカードの会という組織が開催している「エラーカードコンテスト」を知ったんです。そこからエラーカードに興味を持ち始めました。
magi社長:最初はある意味で一般的なコレクターの一人だったわけですね。エラーカードの会というワードをよく聞きますが影響力凄いですね。
たむさん:そうです。エラーカードは唯一無二の存在で、誰も他に持っている人がいないんですね。最近も高騰を続けている遊戯王のプロモカードは他社との争いにも思えますが、エラーカードは自分の道だなと思います(人によって感じ方はあると思いますが自分はそう感じていました)。プロモカードを買っているうちは本当の自己満足はなく、他己評価も気になった上で買ってしまっていました。プロモ系って値段が上がるからこそ価値が見出され、売買されているという部分が半分ぐらいあると思うのですが、エラーカードはそもそも希少性=価値があるから買うという理由で買っています。世界に1、2枚レベルの希少性でプロモだと1000万円以上になるが、エラーだと60万円ほどで買えるのが魅力かなと思ってます。本来の価値に比べると安く買えるという魅力です。
magi社長: 確かに「希少性」だけで見れば価格差は相当今ならまだありそうですね。エラーカードも高騰して来ているのでそのギャップは今後埋まっていく気もします。現在はエラーカードをどのように集めているのか是非教えてください。おそらくこの記事を見て買い始めようという人も増えると思いますので。
たむさん:海外版の安いエラーカードから買い始めて、日本版もチョコチョコ買っていくようになりました。エラーカードのコミュニティで売買されることが多いです。あとは、安く買いたい人はショップのストレージに普通にエラーカードがあることが多かったりもするので探してみると良いと思います。あとはフリマアプリやネットオークションでめちゃくちゃまとめ売りになってる画像を拡大して見て探しているコレクターも多いですね。エラーカードが出やすいパックの名前で検索してヒットした出品を最新ずっと探し続けます。エラーカードは出品されて交渉する間もなく1分、2分で売れてしまいますから。
magi社長:エラーカードの相場ってどんな感じなのでしょうか。エラーのパターンごとに聞けるとありがたいです。magiでも買取を強化していこうと考えていますので。
たむさん:レリーフ違いや二重印刷のエラーは先ほど言った通りで遊戯王だと数十万円後半とかになります。二重印刷の話で他のカードも言うと、20万円ぐらいからポケカはスタートですね。MtGは土地で人気カードのため30~40万円です。普通のカードは20万円ぐらいです。また、ホイルズレは0.5cmずれていればホイルズレとしての希少性が生まれるのですが。5~10万円ぐらいの価値で取引される傾向にありますね。キャラ人気があると20万円ぐらいです。
magi社長:ブルーアイズやカオスソルジャーだと高いイメージありますね。話を聞いているとエラーカードは「言い値だ」という話をよく聞いてきたのと裏腹に、「相場はあるんだな」とも感じました。
たむさん:相場はありますね。エラーカードは相場があります。死ぬほど高い価格で売ってる人もいますがあれは売れないです。お金を出す人ほど相場に詳しいわけですごく金額が離れたものは買いません。また、相場に詳しくない人ほど怖いので高いカードには手が出せません。ネットでいいね数が200とか行くエラーカードの出品もありますが、あくまで「ナイスなカードだね」という意味でいいねしているだけで、購入するわけではありません。
magi社長:あとはこの記事を見て買ってみようという人もいると思うので偽物のエラーカードの見抜き方も是非教えてください。
たむさん:エラーカードの見抜き方は。製造過程を知ってる人に聞くということに尽きると思います。まずはそういうエラーカードに詳しい知人を作ることかと思います。また現在高い相場で取引されるエラーの種類は人為的に作ることが出来ないものです。レリーフ違いと二重印刷、そしてホイルズレも作れないと現状では認識しています。
magi社長:今日はエラーカードの話をたくさん教えてくださりありがたかったです。あんまり前に出て説明してくれる人が少ないので非常に勉強になりました。お忙しい中ありがとうございました。
たむさん:エラーカード界隈の人はこういう相場や入手方法の情報が拡散され過ぎると、競争相手が増えるのであまり言わない人が多いかもしれません。皆様の参考になれば幸いです。
▲開闢の使者の2重ネーム(遊戯王カードは、キャラ印刷後にネームを刻印しますが、ずれたり、複数回印字、印字忘れ等のエラーが発生します。)
▲ミスティックソードマンレベル2のホイルズレ(ホイルが横にズレているエラーカード。 横にホイルがズレいることで、ホイルが斬撃にみたく見えます。)
▲蒼穹のドレイク/Azure Drakeに、裏面が印刷されている2重印刷(ダブルプリント)のエラーカードになります。 裏面は真っ白です。
たむさん:https://twitter.com/tamutamu_2
magi社長:https://twitter.com/terumagi