ルール&レギュレーション変更が及ぼした変化│ホロルゴ
皆様はじめまして。 カードゲーム歴20年、ポケモンカードを4年近くプレイしているホロルゴと申します。 今後magiマガジンライターとして活動させていただくことになりましたので、よろしくお願いいたします。 執筆する内容としましては、主に新たに発表されたポケモンVをメインに採用したデッキ案解説、それに伴い新たにシナジー(相性が良い)が生まれ使われるようになるカード予想、公式大会前のデッキ選択&環境予想などについて寄稿していく予定です。 スタンダードレギュレーションも頻繁にプレイしていますが、私は2020シーズンにおいてCSP(チャンピオンシップポイント)の配布される公式大会は基本的にエクストラレギュレーションの方に参加する予定なので、スタンダードレギュレーションの方は包み隠さず本気の思考をお伝えできると思います。(エクストラレギュレーションについての執筆は未定、需要がありそうであれば可能性あり。 読者様の参考になれば幸いです。
【ホロルゴ選手(@RUGO3756) プロフィール】 実績 ~2020年シーズン~ CL東京:20位 シティリーグシーズン1:9位 現在プレイヤーランキング35位前後 CS優勝等
早速ですが本日は、最初に執筆する記事ということもあり2019年11月29日(金)より変更されたポケモンカードゲームのルール&レギュレーションにより大きく変化した環境、デッキ構築の方法についてスタンダードレギュレーション視点から解説をさせていただきます。
1.ルールの変更について
先攻プレイヤーは、最初の番に「サポートカード」を使うことができなくなりました。
これにより、過去のルールで当たり前のように行われていた先行1ターン目に<ウツギ博士のレクチャー>をプレイし、次の番に進化するたねポケモンをサポートカード1枚で用意に準備をすることが不可能になった。
では、新ルールではどのようにして先行1ターン目に進化元のポケモンを用意するのか
サポートカードをプレイすることは不可能になったが、従来の通りポケモンの特性とグッズはプレイすることが可能である為、今まで以上にこれらのカードをデッキに採用する機会が増加した。後攻であれば従来通りサポートカードをプレイすることが可能だが、先行になった場合に腐るカードとなってしまう為非常に使いにくいカードとなった。今後、一部のデッキを除き<ウツギ博士のレクチャー>のような1ターン目でしか強くプレイ出来なかったサポートカードが採用されることは減少するだろう。 また、<カプ・テテフGX>のようなサポートカードをサーチ出来る特性を持つポケモンがレギュ落ちしまったことも大きな要因の1つだ。先行を取れれば有利に試合展開を進めやすかった進化ポケモンをメインとしたデッキにとっては、非常に向かい風となるルール変更といえる。
2.スタンダードレギュレーションの変更について
カードの左下に表示されたレギュレーションマークにAと書かれたカードは、スタンダードレギュレーションから外れ、B・C・Dと書かれたカードのみが2019年11月29日(金)以降にスタンダードレギュレーションで使えるカードとなった。(一部再録カード有り)
とても寂しいですが、リーリエなどのカードが11/29付けでレギュ落ちで使えなくなります。TR再録されたAマークのカードも使えなくなるため注意です。
— ポケカ情報・攻略 - ポケカタクティクス! (@pokeca_tac) November 21, 2019
『SMAスタン落ちで使えなくなる主なカード一覧』 https://t.co/a3TrHILRr1
▲使えなくなる主要カードは記事を参照してください。 #ポケカ pic.twitter.com/mg23luMP15
※エクストラレギュレーション、および殿堂レギュレーションの変更は無し。
Aのマークが記載されいてるカードで使用率が高かったカードを列挙し、下記で解説する。
環境に大きな影響を与えていたAマークのカード
〜ポケモン〜
《ゾロアークGX》
Aマークのカードで最も代表的なポケモンといえば、やはり<ゾロアークGX>だろう。 このカードは登場してから1度としてスタンダードレギュレーションから退くまで環境に君臨し続けたポケモンだ。 このポケモンをメインとしたデッキは勿論、特性「とりひき」による優秀すぎるドロー効果により、ベンチにいるだけのサポートポケモンとしても非常に汎用性が高かった。新スタンダードレギュレーションでは似たような特性を持つポケモンとして<ピジョン><チラチーノ>がいる。しかし、ワザ:「ライオットビート」がダブル無色エネルギーのみで宣言でき、ダメージもサポートポケモンとしては破格のダメージ量を繰り出せた<ゾロアークGX>に比べ非常に低い為、メインポケモンではなくサポートポケモンとしてのみ使われることになる。 また、様々なデッキに採用されていた<ゾロアークGX>が環境から退いたことにより悪弱点で使いにくかったポケモンが台頭してくることが予想される。
《カプ・テテフGX》
9割のデッキに採用されていたといっても過言ではないこの汎用カードもついにレギュ落ちに。 なんといっても特性「ワンダータッチ」はバトルの序盤〜終盤における事故防止、勝負の決め手と腐る場面が無く非常に優秀。 それだけではなく、このポケモンも上記でピックアップした<ゾロアークGX>と同じくワザが無色エネルギー2つで宣言できる上にサポートポケモンとは思えない程のダメージを繰り出すことができ、汎用性の塊だった。 このカードのお陰で序盤を支える<ウツギ博士のレクチャー><リーリエ><カキ>勝負を決める<グズマ>といったカードを安定してプレイできていた。 しかし、新レギュからは外れてしまった為今まで以上にデッキのどこを引いても事故が起きない、このカードに頼らないデッキ構築が求められるようになった。
《マーシャドー》
デッキ相性差をこのカード1枚でひっくり返して勝ってしまうこともザラにある特性「やぶれかぶれ」を持つスタンダードレギュ最強の汎用ポケモンの1枚。 新レギュではレギュ落ちしてしまった+先行サポート禁止になったことにより、後攻プレイヤーは1ターン目を迎える前に手札枚数を減らされてしまいそのまま手札事故を起こし負けてしまう理不尽負けがなくなった。<リセットスタンプ>とは違い、ボール系統のグッズからサーチも可能なので、ベストタイミングで手札に持ってきやすい点も強力だった。
アローラベトベトン
たねポケモンの特性を無力化する環境に存在していたメタカード。 このカードの存在が無くなったことにより台頭してくるポケモンは多く存在する。 例として、<ミュウツー&ミュウGX>は<アローラベトベトン>が場にいると特性「パーフェクション」を利用したワザを繰り出すことが出来なかったが、その心配が不要となった。 また、<ジラーチ>や<デデンネGX>をデッキを回すエンジンとして採用していたデッキも使いやすくなった。
《フーパ》
相手のGX・EXポケモンからワザのダメージと効果を受けないという環境メタポケモン。 GXポケモンが猛威を奮っていた環境において強力だったこのポケモンもレギュ落ちになり、GXポケモンが使いやすくなった。
《ラフレシア》
上記で挙げたフーパと共に環境に存在する主にTAG TEAMポケモンに対してのメタカードとして環境に存在していたポケモン。 <フーパ>と共にこのカードがレギュ落ちしたことにより、たねGXポケモン、TAG TEAMポケモンを使いやすい環境となった。
〜グッズ〜
《ハイパーボール》
全てのポケモンをサーチすることが可能だった最強のボール。 新レギュでは<クイックボール>(たねポケモンのみ)<プレシャスボール>(GXポケモンのみ)<しんかのおこう>(進化ポケモンのみ)と、それぞれサーチ先に縛りのあるボールのみとなってしまった為、デッキ構築においてそれぞれの採用枚数が難しくなった。 ポケモンの採用枚数が多いデッキでは、サーチ先に縛りのない<ポケモン通信>が使いやすいポケモンをサーチするグッズとなる。
《レスキュータンカ》
特に非GXのポケモンがメインアタッカーのデッキや、対戦相手に狙われやすいシステムポケモンのリカバリーとして採用されていたカード。
新レギュでは、即時に手札へのサーチが可能な強みは無くなってしまったが、代用カードとして採用したい場合は<ふつうのつりざお>を採用することになる。
《あなぬけのヒモ》
自分のポケモンを入れ替える手段としては、レギュ落ちかと思われたが再録された<ポケモン入れ替え>で問題ないが、ジラーチサンダーのようなデッキタイプにとってこのカードのレギュ落ちは痛手となった。 自分のポケモンは入れ替えられないが、相手のベンチポケモンをバトル場のポケモンと入れ替えたい場合は<フィオネ>が汎用性のある代用カードになる。
《フィールドブロアー》
トラッシュしないと困る<ポケモンの道具>と<スタジアム>があるデッキを使う際に採用していたカード。 新レギュでの代用カードとしては<フラダリラボ>や<カモネギ>が挙げられる。
《こだわりハチマキ》
このカードのレギュ落ちは環境に多大な影響を与えるカードの1枚だろう。過去レギュでこのカードによる+30の打点調整で相手のGXポケモンを倒すプランをしていたデッキは多々存在していた。このカードのレギュ落ちによって1撃で倒される機会が減少した為、上記で解説した<フーパ>、<ラフレシア>もレギュ落ちしたことにより、GXポケモンにとっては追い風となった。新レギュでは仮想的であるGXポケモンを気絶させるには別プランのダメージアップを考える必要が出てきた。
《まんたんのくすり》
主にコントロールデッキに採用されていたカード。 新レギュでの代用カードとしては<すごいきずぐすり>が挙げられるが、このカードはエネルギーが2つ付いていなければ使用できない且つ回復量も少なくなってしまっているので、HPの多いポケモンを壁にしながらコントロールするデッキは使いにくいカードプールとなった。
〜サポート〜
《リーリエ》
1ターン目のみの条件付きではあるが、手札が8枚になるまでドローできるパワーカード。進化デッキは、1ターン目に進化元になるポケモンを並べることが重要且つ、2ターン目に進化するポケモンにアクセスする手札まで揃えたいデッキな為1ターン目に最もドローすることが出来るドロー系のサポートカードとして、進化デッキに採用されることが多かった。 新レギュでは代わりのカードではないが、手札を全てトラッシュして7枚ドローできる強力なサポートカード<博士の研究>がこのカードが使われることになる。
《カキ》
先1カキ。これをするだけで対面によっては9割方勝ちとなっていたパワーカード。 TAGチーム相手には先行2ターン目に300ダメージ、進化デッキにはクロスディヴィジョンGXで3匹の進化元ポケモンをきぜつさせ、相手の盤面を低い要求値でベンチバリアを無視しながら簡単に崩壊させていた。 新レギュでは先行1ターン目にサポートカード禁止になり、このような必殺技ともいえるプレイは不可能となった。プレイの変更点としては、<カキ>での大量エネルギー加速が不可能になった分、過去レギュ以上に<溶接工>をプレイする回数が増え、場のポケモンにエネルギーを付与することが重要。
《グズマ》
ほぼ全てのデッキに採用されているといっても過言ではなかったこのサポートカードもレギュ落ち。 新レギュレーションでは代わりに<ポケモンキャッチャー>、<グレートキャッチャー>、<カスタムキャッチャー>、相手が選択するが汎用性があるカードして<フィオネ>が採用されることになる。 また、デッキによっては<ボルケニオン♢>の特性(ジェットほうすい)、<キュウコン(きゅうびのいざない)>や、<フシギバナ&ツタージャGX(かがやくつる)>等でベンチポケモンを呼び出すことが可能。
《アセロラ》
中打点以下のダメージを受け流すカードとして採用されていた。 新レギュでこのカードの代わりとなるカードとして挙げられるのは回復面では<マオ&スイレン>、グッズでは<すごいきずぐすり>場からポケモンを別の場所へ移動させるカードとしては<サカキの追放><ジュジュベ&ハチクマン>が代表的なカードとなる。
〜特殊エネルギー〜
《ダブル無色エネルギー》
無色エネルギー2つがワザの要求値となっているポケモンがメインアタッカーのデッキにはまず採用させていたエネルギーカード。 再録される可能性もあるが現状では使用することが出来ないので、例えばロストマーチやゴルーグ、基本エネルギー+無色エネルギー2つがメインアタッカーのデッキは使用するのが困難なカードプールとなった。
《カウンターエネルギー》
主に非GXを主体とするデッキや、テックカード(1部のデッキに対して刺さるメタカード)として1枚刺しで採用されていたカード。 例として、tier1のデッキタイプであるアルセウス&ディアルガ&パルキアGXデッキに対して、<ミミッキュ>のワザ「まねっこ」を使い1撃で倒すテックカードとして採用されていたりした。今後は相性が不利な相手に対してこのプランで勝つことが不可能になってしまったので、別の勝ちプランを考える必要が出てきた。
3.レギュレーション変更に伴い台頭してきたカード
《ピッピ人形》
>グズマ>のレギュ落ちにより、ベンチのポケモンを呼ぶ機会が減少した為バトル場の<ピッピ人形>を無視しにくいカードプールになった為。
《》ミュウ》
<アローラベトベトン>、<グズマ>のレギュ落ちに伴い擬似的に信頼度が上がり、強化された。
《アブソル》
過去レギュ以上に先行でサポートが使えない分<ジラーチ>の採用率が上がった為、更に採用率が上がった。
《マグカルゴGX》
パーフェクションのデッキに採用されていた<リザードンGX>のレギュ落ちの代わりに採用されるようになった。
4.終わりに
ここまでお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。 次回はCL後の結果を踏まえ、その後の環境考察を執筆する予定です。 それではまた次回、magiマガジンでお会いしましょう。







