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【前編】コレクター銀蔵さんにTCG向けアクリルフレーム製作とGINZO立ち上げの理由を聞いてみた

magi社長:今日はエラーカードコレクターであり、ご自身でもGINZO(運営:株式会社GAIAMOND)というコレクター向けTCGブランドを立ち上げている銀蔵さんにインタビューとなりました。よろしくお願いいたします。

銀蔵さん:よろしくお願いいたします。

magi社長:最初にこれまでのいきさつとしてコレクターになった経緯をお伺いしたいです。

銀蔵さん:コレクターになった経緯からお話すると、中野にある遊Vicというカードショップ様にフラッと立ち寄った際にプレミアムパック1という昔の未開封パックが売られていたのがきっかけです。このパックは1999年に開催された遊戯王の東京ドーム大会の会場でのみ販売されたもので、子供の頃は自分の住んでいた田舎では、どうしても手に入らなかったものでした。(この大会は想定していたよりも来場者が殺到して中止になり、ニュースにもなりました。後に来場したけど購入出来なかった人達だけに通販されたようです。)買ってみると、運良く憧れていたエグゾディア初期の胴体が入っていまして、他のパーツも欲しくなり、エグゾディア全体のパーツを買い揃えました。そこから遊戯王カードを買い始めまして、市販の初期のスーパーレア以上のカードは数百円から数千円位でだいたい買いそろえることができました。さらにコレクションに没頭していき、ホーリーナイト、完グレ、黒魔道士、シクブルなどプロモカードを手に入れました。結果的に、1、2ヵ月で特に子供の頃に欲しかったカードがすべて手に入って一度満足しました。流石に青眼、ブラマジ、ガール等の原作の主要モンスターのプロモカードを一通り買い揃えるには1、2年程かかりましたが、初期カードの次はプロモカードをコレクションしていました。

magi社長:かなりトントン拍子で買って行ったわけですね。今考えるとかなりお安かったのではないでしょうか。

銀蔵さん:当時だと今ほどの値段ではありませんでした。まだ美品のシクブルでさえ、10〜15万円の頃でした。子供の頃に特に憧れていたカードを全て手に入れてから、次の目標として、世界大会の国内最終予選に進んだ人が貰えるプロモカードのレプリカに出会った時に、絵柄の芸術性が子供の頃に感じた懐かしい遊戯王への魅力とは別の種類のものとして感じまして、アートとしてカードをコレクションしようと思い始めました。そこからは世界大会のレプリカのカードを揃えて行きました。流通枚数が少ないもので80枚程と言われているカードも含めて、一部は国内で流通しておらず、ebayで逆輸入したりする必要もありましたが、コレクターになってから数ヶ月程で全てコンプリートしました。当時はTwitterアカウントもフォロワー100人ぐらいでしたが、ツイートしたら有名コレクターのはっさく様が見つけて紹介してくれまして、遊戯王コレクターの皆様との交流が始まりました。

magi社長:遊戯王コレクターの皆様のTwitterでの交流は今ですと盛んな印象がありますが、当時から既にコミュニティが形成され始めていたのですね。

銀蔵さん:そうですね。振り返りますと、純粋にカードの魅力を感じ、アートとしての魅力に浸かっていき、カードを通して誰かとコミュニケーションする楽しさなどがあって、気がつくとズブズブとこの遊戯王界隈に入っていた形です。より集めるのが難しいカード、例えばエラーカードほどコレクター同士の人脈が必要ですので、交流が増えていき、友達が増えていくのが楽しいという流れで交友関係も広がって行きました。

magi社長:エラーカードやそのコレクション事情については弊社でも何度か色んな方に取材させていただいております。やはり「団結の力」ですね。事業としてGINZOというサプライブランドを立ち上げるに至った経緯についてもお伺いしたいです。

銀蔵さん:エラーカードに関しては情報が全くないので情報を集めて整理して発信すると需要に応えられているという感覚があり、情報発信の醍醐味も感じています。事業のGINZOに関しては、アクリルフレームという概念を昨年から考案して世の中に出したことがきっかけです。アクリルフレームの発表後、1年が経過していますが、主に高額プロモを見るとアクリルフレームに入れて飾るというのが流行ったなと思います。最近では、有名YouTuberのきまぐれクックのかねこ様に動画内でアクリルフレームを紹介して頂いたこともありました。アクリルフレームをきっかけに、「コレクションをどう飾るか、楽しむか」というコンセプトを変えていくのが楽しいなというように感じ始めました。

magi社長:アクリルフレーム、流行っていますね。

銀蔵さん:コレクターの皆様の役に立てたらと考えた次第で事業化させていただいております。アクリルフレームについては、元々はTCG Bar Fun様やカードショップのNextPro様などで取り扱っていただいておりました。今ではGINZOのアクリルフレームの構造をインスパイアした物も増えていると感じます。アクリルプレート、黒縁フレーム等とも呼ばれています。コレクションの楽しみ方の一つに「飾り方」があります。どのようにカード飾れば、更にカード魅力を引き出せるかを考えることが楽しいです。

magi社長:確かに何のカードを持っているのか、いかに状態が良いかという論点以外でも盛り上がる余地があると思います。

銀蔵さん:実は4年位前はスクリューダウンもTCGでは今ほど一般的では無かったんですよ。スポーツカードでは使われていましたが、TCG(トレーディングカードゲーム)では利用がまだ一般的では無かったです。当時は販売している店舗も少なく、一部の人達だけが知っているアイテムでした。少なくともTwitter上では今と比較すると、あまり見かけませんでした。先ほど述べた通り、私はコレクターとなってすぐに、カードの芸術性にも惹かれていたので、スクリューダウンでの飾り方に異常にこだわっていました。スクリューダウンで飾ったカードをツイートすると、商品名をリプライでよく質問されていました。スクリューダウンというアイテムも、当時から広めることに、僅かではありますが貢献できたのではないかと思います。

magi社長:スクリューダウンを遊戯王で流行らせたのは銀蔵さんだったのですね。ちなみにアクリルフレームというのはどういった商品になるのでしょうか。利用のメリットや思いついた背景も教えていただきたいです。

銀蔵さん:スクリューダウンが広まったのは、私だけの力では勿論ないですけどね。アクリルフレームが誕生した背景ですが、元々カードの弱点である紫外線の対策として、UVカットのフィルムをカットしてカードを挟んでスクリューダウンに入れるなどの手がありました。

銀蔵さん:しかし、ここで溝がないスクリューダウンでカードを挟んでしまうと、カードへの圧力がかかるという問題が残ります。そこでローダーごとスクリューダウンの中に入れるなどのアイデアが一部のコレクター達の間で生まれました。次に河島製作所様のフルプロテクトスリーブ等の、そもそもUVカットされているUVカットケースに入れたらいいんじゃないかと発展した訳です。ローダーごと挟むという段階まで来たら必然的な発展でした。小さくて薄いプラスチック製のUVカットケースだけだと物理的な衝撃に不安があるので、やはり頑丈なスクリューダウンで挟むことには安心感があります。当時はこの形でのプロテクションがベストだと考えて、布教していました。2年ぐらい前に流行りました。

銀蔵さん:それから時は経ちまして去年ふと思ったのは、スクリューダウンに挟んだカードのセンタリングが中々出来ないという新たな問題です。カードの見栄えに加えて、UVカットケースをスクリューダウンで挟むことは想定されておらず、サイズが異なるために隙間があり、フィット感が無いというのも気になっていました。UVカットケースとスクリューダウン間の圧力のかかり方も当然想定されていないので、ネジを強く締めすぎるとスクリューダウンにUVカットケースの跡が残ったりもします。何十枚ものカードをスクリューダウンに入れて保存していたのですが、UVカットケースの跡が残っているのスクリューダウンが散見するようになったので、UVカットケースの固定時に圧力を分散させるような構造が必要だなと考え、そこでアクリルフレームを思いつきました。

.magi社長:どのようにアクリルフレームは製作していったのでしょうか。商品開発のやり方が気になります。アイデアはあっても「作る」というのはかなりハードルのあるチャレンジだと思います。

銀蔵さん:一体化するフレーム構造をいかにつくるかということで、まずは身近にあるもので作ってみようと考え、100均等にあるものでひとまず作ってみました。EVAというスポンジよりも少し固い樹脂素材でフレームを作ってみました。次に、アクリル版をセラミックカッターで切断して、自作したかったのですが、アクリル版は物凄く固くて、自分では全く綺麗に切断出来ませんでした。EVAで作った試作品をツイートしたところ、フォロワー様からアクリル工場を紹介していただきまして、アクリルフレームが誕生しました。そして、昨年10月からGINZOのアクリルフレームの販売を開始しました。

magi社長:ビジネスチャンスを感じます。銀蔵さんほど「コレクション」というものを楽しみ、向き合っている方を中々見ないように思います。

-今回は長編のためここで終了と致します。次回、後編の公開をお待ちいただきたく思います。-

銀蔵さんTwitter:https://twitter.com/ginzo_tcg
magi社長Twitter:https://twitter.com/terumagi