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リミットレギュレーション2020/1/1における閃刀姫について|アライブ

はじめに

お久しぶりです。アライブです。 本稿はリミットレギュレーション2020/01/01環境に対する個人的な見解と、それに基づいて構築を組んだ【閃刀姫】の解説となります。 今回このテーマにて執筆をしようという考えに至った理由として、僕の中では“リミットレギュレーション2020/01/01環境において【閃刀姫】が最も高い勝率を叩きだせる”と考えているため、その考えを書き記したいと思ったからです。

今回は直近の競技シーンを振り返りつつ、この考えに至った理由や閃刀姫の構築論・プランについて書き記していきます。どうか最後まで御覧いただけますと幸いです。

アライブ(@8cmCHINKO)プロフィール】 ~実績~ CS優勝 16回 準優勝 11回 ベスト4 18回 選考会 1回

1.なぜ【閃刀姫】を使用したのか

数か月前の競技シーンにて、僕は元来【閃刀姫】を使用していたものの周りのプレイヤーから「今は閃刀姫厳しいよ」といった声を多数聞いており、調整に時間を割くこともままならなかったため所謂“トップメタ”の一角である【オルフェゴール】をリミットレギュレーション2019/10/01環境より3ヶ月ほど使用していた。

しかしこの【オルフェゴール】は使用を続けていく内に自分の中で様々な課題点が見つかっていく。

いくつか例を挙げると

・リンク数を伸ばして妨害や打点を構えていくデッキのため必然的にメインデッキがモンスターカードや“指名者系”のカードに圧迫されてしまい、手札誘発や汎用性の高い魔法罠カードにスロットを割くことができず、結果として後攻の際に同系統のいわゆる展開系デッキ、特に【リリーサークラウソラスドラグーン】や罠デッキに対する脆さが目立つこと。

・トップメタであるがゆえにサイドチェンジ後はロンギヌス等の非常に重たいメタカードを使用されることが多く、“オルフェゴールモンスター”達の効果に共通する効果の誓約により闇属性モンスターしか使用できないため、他展開系デッキに用いられるような《水晶機巧-ハリファイバー》から始まる《ヴァレルロード・S・ドラゴン》や《召命の神弓アポロウーサ》等のシステムクリーチャーを着地点とするギミックをサブギミックとして採用しにくく、前述のようなメタカードに対する対抗手段が少ないと感じたこと。

・《マスマティシャン》や《宵星の騎士ギルス》等の1枚初動が《エフェクトヴェーラー》と《無限泡影》等が蔓延る現トーナメントシーンにおいて使い勝手が悪いこと。

等が挙げられる。

1つ目と3つ目の課題については ・《オルフェゴール・カノーネ》+《オルフェゴール・プライム》を最大数投入し、オルフェゴールギミックでの貫通能力の底上げを図る。 ・《亡龍の戦慄-デストルドー》等の1枚初動に対する妨害を受けた際に手数を追加できるカードを採用する。

2つ目の課題に対しては ・《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》+《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を採用し、カードを除外せずに出せる妨害兼打点を搭載する。

等の改善策を考え試行した結果、 “カノーネプライムかさ増し”プランでは2つ目のロンギヌス等のメタカードに対する解答になり得えないため、“ドラグーンギミックの搭載”と“デストルドー等の手数の追加”の両プランを同時に採用することが2つ目と3つ目の課題の解決に最も近しいものだと考えた。

しかしながらそれら両方を採用するためにはエクストラデッキに 《水晶機巧-ハリファイバー》 《ユニオン・キャリアー》 《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》 《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》 の4枚

メインデッキには 《ジェット・シンクロン》 《亡龍の戦慄-デストルドー》 《ブラック・マジシャン》 《真紅眼の黒竜》 《真紅眼融合》 の最低でも5枚が必要になり、エクストラデッキを圧迫してしまうのはもちろん、メインデッキのスロットを最低でも5つ使用してしまうことは1つ目の課題であった“後攻の際の脆さ”を助長させてしまう。

以上のような理由から【オルフェゴール】のプランを考えるのではなく“【オルフェゴール】を使用すること自体を辞める”という決断を下した。

【オルフェゴール】を辞めることを決意し、別のデッキを使用する際に候補に挙がったのが【オルターガイスト】【サンダードラゴン】【ドラグーンサブテラー】【リリーサークラウソラスドラグーン】そして【閃刀姫】の5つだ。

この5つが候補に挙がったのはやはり“実際に数多の強豪達が使用し、結果を残している” という事実が存在する点が大きい。

【閃刀姫】と【リリーサークラウソラスドラグーン】を除く3つは前期の環境から継続して環境に居座り結果を残しており、強さは折り紙付き。【オルターガイスト】と【サンダードラゴン】に関しては《オルターガイスト・プークエリ》《リンクロス》《天雷震龍-サンダー・ドラゴン》といった強化も受けている。

【リリーサークラウソラスドラグーン】は《リンクロス》の登場により新たに発足したデッキで、先行時の制圧力は環境の中でも頭一つ抜き出ており、遊戯王を競技的にプレイしている者なら誰もが1度は使用を考えたデッキだろう。

候補を決めた後は環境考察だ。 多少の地域差はあるだろうが、実際のCS等の分布や結果を見る限り

Tier1. 【オルフェゴール】【オルターガイスト】【ドラグーン】 Tier2. 【サンダードラゴン】【機界騎士】 Tier3. 【閃刀姫】【SPYRAL】【ドラゴンリンク】【インフェルノイド】【セフィラ】【サブテラー】【リリーサークラウソラスドラグーン】

遊戯王は分布が非常にまばらになる場合が多く、Tier3やTier4と位置付けるのが難しいが、Tier1.2についてはこのような認識でいる。

ここでの【ドラグーン】というのは《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を主軸とした所謂“ドラグーンビート“と【サブテラー】や【トリックスター】等に《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を採用しているもの両方を含めるものとする。

Tier.1の【オルフェゴール】【オルターガイスト】【ドラグーン】はこの3種だけで分布の半分を占めるほどだ。 全てTier1.と位置づけはしたが、やや【オルフェゴール】が頭一つ抜き出て使用者が多いように見受けられる。

また分布こそ多くないものの、体感であるが【リリーサークラウソラスドラグーン】が非常に高確率で決勝トーナメントへコマを進めていることが多い。

上記の認識に基づいて考えた結果、僕が今環境においてのデッキ選択の際に重視したいと考えたのは ・【オルフェゴール】に対してメインから有利を取れる。 ・その他の“展開系デッキ”に対して不利を取らない。 ・ドラグーンギミックに対しての解答を比較的多く持ち合わせている。 ・【オルターガイスト】や【サブテラー】等の罠デッキに対して、マッチ単位で不利を取らない。 この4つだ。

これにより【リリーサークラウソラスドラグーン】や【オルフェゴール】に対して、自身が先行の際に擁立させる《超雷龍サンダー・ドラゴン》が脅威になり得ない【サンダードラゴン】を真っ先に候補から除外された。

【リリーサークラウソラスドラグーン】以外にもドラグーンギミックを搭載したデッキは環境に多く存在し、一度成立した《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》に対してメインギミックでの解答が乏しい【ドラグーンサブテラー】が次に候補から除外された。

次に【リリーサークラウソラスドラグーン】に関しては手札誘発こそ多く詰めないものの、抜きんでた先行時の制圧力の高さから、“マッチ単位では展開系デッキ相手に不利を取るわけではない”という考えだったが、如何せん同系統のデッキを相手にする際にジャンケンで勝敗が大きく左右されてしまうようでは安定した勝率は出せないと思い候補から除外した。

これで残る選択肢は【閃刀姫】【オルターガイスト】の2つとなる。

ここから【オルターガイスト】ではなく【閃刀姫】を選択した理由として、最も大きいのはやはり環境の一角【オルフェゴール】の存在だ。

CS等で決勝トーナメントまで勝ち進むことを考えた際に現環境トップシェアを誇る【オルフェゴール】とのマッチアップは必至、無論勝ち進むために倒さなくてはならない相手だ。

僕は予ねてより【閃刀姫】vs【オルフェゴール】のマッチアップは【閃刀姫】が有利であると考えており、《閃刀姫-レイ》や《閃刀機-ウィドウアンカー》は【オルフェゴール】が構える《IPマスカレーナ》に対して強く出ることができ、《閃刀機関-マルチロール》を構えた状態で《閃刀姫-シズク》の効果でエンドフェイズに《閃刀機-シャークキャノン》を発動しそのまま《閃刀機関-マルチロール》の効果でセット、相手のターンに再び《閃刀機-シャークキャノン》を発動することで【オルフェゴール】が蓄えた墓地リソースを大きく削ることができるという点が大きいだろう。 先行の際でも潤沢に採用されている手札誘発や《閃刀機-シャークキャノン》や《センサー万別》等のセットカードも【オルフェゴール】に対しては非常に強力である。 メインギミックのぶつかり合いなら不利な要素が見当たらず、後攻でも高い勝率を出すことが出来るという確信があった。

それ以外にも ・《閃刀機関-マルチロール》のチェーン不可効果や《閃刀術式-ジャミングウェーブ》《閃刀術式-アフターバーナー》といった割りモノカードの存在からマッチ単位でみると【オルターガイスト】や【サブテラー】等の罠デッキに対しても不利を取らない。 ・苦手なマッチアップである【サンダードラゴン】は分布が減っている。 ・《魔鍾銅》によるロックや《閃刀機-シャークキャノン》《閃刀機-ウィドウアンカー》を用いて《星杯戦士ニンギルス》等のリンクモンスターを送り出すことにより《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の突破も可能。 等の要因もあり、“【閃刀姫】は現環境に非常に適したデッキである”と結論付け、使用を決断した。

2.今期の【閃刀姫】の構築について

ここでは採用カードについて解説していきたいと思う。 まず初めに現在使用している構築を載せておく。

メインデッキ:41枚 EXデッキ :15枚 サイドデッキ:15枚

━━━━━━━━━━━━━━━━━

【モンスター】13

エフェクト・ヴェーラー ×3 増殖するG ×3 灰流うらら ×2 閃刀姫-レイ ×3 閃刀姫-ロゼ ×2

【魔法】21

テラ・フォーミング ×1 ハーピィの羽根帚 ×1 増援 ×1 強欲で貪欲な壺 ×3 閃刀機関-マルチロール ×2 閃刀機-イーグルブースター ×2 閃刀機-ウィドウアンカー ×2 閃刀機-シャークキャノン ×2 閃刀機-ホーネットビット ×1 閃刀空域-エリアゼロ ×1 閃刀術式-アフターバーナー ×1 閃刀術式-ジャミングウェーブ ×1 閃刀起動-エンゲージ ×2 魔鍾洞 ×1

【罠】7

センサー万別 ×3 メタバース ×1 無限泡影 ×3

【エクストラ】15

超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ ×1 アクセスコード・トーカー ×1 リンクリボー ×1 捕食植物ヴェルテ・アナコンダ ×1 星杯戦士ニンギルス ×1 水晶機巧-ハリファイバー ×1 神聖魔皇后セレーネ ×1 閃刀姫-カイナ ×1 閃刀姫-カガリ ×1 閃刀姫-シズク ×3 閃刀姫-ジーク ×1 閃刀姫-ハヤテ ×2

【サイドデッキ】 15

アーティファクト-ロンギヌス ×3 ダイナレスラー・パンクラトプス ×2 ブラック・マジシャン ×1 幻創龍ファンタズメイ ×2 朔夜しぐれ ×1 真紅眼の黒竜 ×1 サイクロン ×2 真紅眼融合 ×3

以上が現在の使用リストだ。1枚1枚採用理由を述べていく、ただ

《閃刀姫-レイ》 《閃刀起動-エンゲージ》 《閃刀機関-マルチロール》 《閃刀機-ウィドウアンカー》 《閃刀術式-ジャミングウェーブ》 《閃刀術式-アフターバーナー》 《閃刀機-ホーネットビット》 《強欲で貪欲な壺》×3

この辺は採用理由・採用枚数ともに説明不要のものであると認識しているため省略する。 《閃刀術式-ジャミングウェーブ》と《閃刀術式-アフターバーナー》の採用枚数に関しては一考の余地アリかもしれないが。

メインデッキ

《閃刀姫-ロゼ》×2

IGUNITION ASSAULTにて新たに登場した《閃刀姫-レイ》以外の初の閃刀姫下級モンスター。《閃刀姫-レイ》のように《エフェクトヴェーラー》ケア等小回りの利いた立ち回りはできないため初動としての役割は《閃刀姫-レイ》には劣るが、墓地効果があることや通常召喚から入り閃刀姫リンクモンスターに繋げられるため、《増殖するG》を重く踏みにくいことから《閃刀機-ホーネットビット》よりは勝っている。

“閃刀姫リンクモンスターを出すことが出来ない事故”を極端に嫌がるのであれば3枚目の採用も検討するが、僕自身は《閃刀姫-ロゼ》が登場する以前の“《閃刀起動-エンゲージ》《閃刀姫-レイ》《閃刀機-ホーネットビット》《増援》”に加えて“《閃刀機関-マルチロール》+《閃刀空域-エリアゼロ》”の組み合わせのみが初動の閃刀姫を使用していたため、このカードは必要な枚数分採用することにした。

必要な枚数が2枚というのは、“墓地に置きたい1枚”と“手札に持っておきたい1枚”の計2枚が必要だと考えたためだ。

相手のエクストラデッキソーンのカードを破壊した際に“自身を特殊召喚しつつ対象を取らずに相手のモンスター1体の効果を無効にする”という効果は非常に強力なもので、無効効果を使わせた後なら《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》+《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の盤面に対して《閃刀姫-ハヤテ》で《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》に突っ込み《閃刀姫-ロゼ》を落としそのまま特殊、対象を取らないため《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の効果も無効にできる。無力なドラグーンの出来上がりだ。

もう一つの“閃刀姫モンスターが場に出た際に自身を手札から特殊召喚できる”効果も、閃刀姫の難点だった“押し込みの弱さ”を多少ではあるが解消してくれる。 《閃刀姫-レイ》を召喚しこいつを追加、バトルフェイズ中に《閃刀姫-レイ》を変身させてやれば4500ものライフが飛ぶ。《閃刀姫-ハヤテ》の直接攻撃により6500になっていることの多い相手のライフは、ここに《閃刀機-ウィドウアンカー》からコントロールを奪った打点2000越えさえいればもう0だ、このケースは少なからず起こる。“1500ポイントものライフを追加で取れるようになった”というのは、閃刀姫にとっては大きな助けとなる。

ここまで語っておいて尻すぼみするような発言だが実際の試合では1枚で事足りることも多い。だがあえて2枚にした理由は3枚採用されている《強欲で貪欲な壺》により除外されてしまい、ゲームメイクに支障が出ることを危惧してのものだ。

《魔鍾銅》

稀に採用されていないリストを目にすることがあるが個人的には採用しない理由が見つからない1枚だ。《サイクロン》等をメインデッキから採用することの少ない今の環境ではメイン戦ならば無類の強さを発揮してくれる。

モンスターカード効果を主軸としてゲームメイクを図ることの多い今の遊戯王において、《魔鍾銅》は『環境に現存する“全てのデッキ”に対して強い』と言っても過言ではなく、《閃刀機関-マルチロール》の効果適用中であれば問答無用でこのカードは擁立し、全ての先行展開を無に帰す。

《閃刀機関-マルチロール》で意図的に自分の場にモンスターが0枚の状況を作り出すこともでき、いざライフを刈り取れる状況となれば《魔鍾銅》そのものを破壊できる。

《アクセスコード・トーカー》を採用している今の【閃刀姫】ならば瞬時に5000ポイントものライフを0にできる、《魔鍾銅》配下にて《閃刀姫-ハヤテ》の直接攻撃を2回行うだけで常に相手は致死圏内だ。

個人的にはこのカードと《閃刀空域-エリアゼロ》以外に【閃刀姫】に採用したと思えるフィールド魔法は無いが、“《魔鍾銅》にアクセスできるカードを増やしたい”という理由から《盆回し》と《サイバネット・ユニバース》の採用を検討したほどだ。 それどころか《魔鍾銅》と《閃刀空域-エリアゼロ》の2枚のみの採用で、発動できなくなるリスクを背負った《盆回し》でも採用圏内だ。

《閃刀機-シャークキャノン》×2

 

“デッキの対応力”を意識した際に ・相手への妨害 ・墓地リソースを減らせる ・リンクモンスターやチューナーを蘇生することによる打点形成 等の役割があり、【オルフェゴール】や《オルターガイスト・マテリアリゼーション》等の存在から《閃刀機-シャークキャノン》を妨害として運用することができ、《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の突破には高リンク数モンスターのリンク召喚が必要不可欠で、リンク数を増やせるこのカードは非常に重宝されるため1枚では足りないと考え、《強欲で貪欲な壺》によりゲーム中にアクセスできなくなる確率を下げる意図もあり2枚の採用となった。

3枚採用に至らなかった理由として大きいのは“素引きしておきたいカードではない”という点が大きい。

基本的にこのカードは“《閃刀姫-シズク》の効果でエンドフェイズにサーチしそののまま発動した後《閃刀機関-マルチロール》の効果によりセットし、相手の墓地リソースを2枚削る”という運用方法が多く、序盤から積極的に高リンク数のモンスターを送り出すわけでもないため、《閃刀姫-ロゼ》と同じく必要最低限の枚数に抑えた。

《閃刀機-イーグルブースター》×2

このカードは“そもそも採用されていない場合”と、“採用はされているが1枚のみ”という2つの構築が見受けられる。少なくとも僕自身が観測した中には2枚採用されていた構築は無い。

そんな数多の【閃刀姫】を使うプレイヤー達が“必要ない”ないしは“1枚で十分だ”と結論付けている《閃刀機-イーグルブースター》だが、僕は今回の構築の際2枚採用とした。 その理由は大きく分けて3つある。

まずは《閃刀機-イーグルブースター》を採用した理由からだ。

簡単に説明すると“《閃刀機-イーグルブースター》は素引きしても使い勝手がよい”からだ。 当たり前の話ではあるが【閃刀姫】は素引きを考慮しないのであれば《閃刀起動-エンゲージ》や《閃刀姫-シズク》のサーチ先の選択肢を増やすために全ての“閃刀カード”を採用するのが望ましい。

しかしトーナメントシーンにおいて多くの【閃刀姫】使い達は《閃刀機構-ハーキュリーベース》の採用を見送っている。 それはひとえに素引きした際の《閃刀機構-ハーキュリーベース》が使いにくさから出した結論であろう。

「使いにくい」というのはいささか抽象的だが、《閃刀機構-ハーキュリーベース》の“2回攻撃ができる”という効果は、戦闘破壊を積極的に行うわけではない現環境の【閃刀姫】のデッキプランに全くもってそぐわないものだ、噛み合わないものはもちろん使いにくい。

《閃刀機構-ハーキュリーベース》が真に必要とされるのは“リソースの回復”と“戦闘破壊時”のドロー効果なので環境によっては十分に採用圏内だが、長くなるので今回はこの話は置いておく。

話を戻すが《閃刀機-イーグルブースター》は現環境においては“素引きしても使いやすい閃刀カード”に含まれていると僕は考える。

《閃刀姫-カガリ》が制限カードとなった今の【閃刀姫】では、手札誘発が多く採用されているであろうデッキに対しての《エフェクトヴェーラー》のケアは必須だ、可能な限り《閃刀姫-レイ》の効果によりメインフェイズ以外のタイミングで《閃刀姫-カガリ》を盤面に送り出すよう心がけている。

《閃刀機-イーグルブースター》を握っているならばそのようなケアを行わず気軽に《閃刀姫-カガリ》をプレイできる。

「本当はメインフェイズにカガリから動いてバトルフェイズに入りたいけど、ヴェーラー喰らったらヤバいしなあ・・・」と渋々バトルフェイズを宣言したことのあるプレイヤーは少なくないだろう。それほどまでに《閃刀姫-カガリ》への依存度が高いのだから、この手札誘発が飛び交う環境に対して《閃刀機-イーグルブースター》は重宝される。

【オルターガイスト】の採用する罠カードが《神の警告》等の召喚無効系ではなく《スキルドレイン》のような効果無効系にシフトしたことや、様々なデッキが擁立させる《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を突破する際、安全に《水晶機巧-ハリファイバー》をプレイできるようになることもあって、採用自体に迷いは無かった。

2つは《強欲で貪欲な壺》の存在だ。 「またその話か!」と思われるかもしれないが、【閃刀姫】を構築する上では大事なことだ。

前述したとおり《閃刀機-イーグルブースター》は素引きしても使い勝手が良いため、2枚目以降を採用することになんら抵抗は無かった。

速攻魔法のため《閃刀機-シャークキャノン》と同様にエンドフェイズに《閃刀姫-シズク》からエンドフェイズにサーチしてそのまま発動することができるため、《閃刀機関-マルチロール》により《閃刀機-ウィドウアンカー》を構えられるのだ。 デッキ内の《閃刀姫-シズク》でサーチできる閃刀名称の速攻魔法の有無は妨害の構えやすさに直結する。

3つ目は “ドラグーンギミック”をサイドデッキに搭載していることだ。

無理やりではあるが閃刀姫リンクモンスターさえだせれば《閃刀機-ホーネットビット》等を落とし《閃刀姫-カガリ》で拾ってやることで《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》まで繋げることが出来る。メイン2でも《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の破壊効果はプレイできるため、ひとたびデッキが回り始めた相手ならば中途半端に閃刀ギミックのみで戦うよりかは勝ちの目があるだろう。

しかしこの動きをする際に《閃刀姫-カガリ》ないしは《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》に妨害を喰らってしまえば被害は尋常ではない、「《閃刀機-イーグルブースター》は素引きしても弱くない」という話をしたが、2本目以降はなおさらだ。

3枚採用すら検討すべき1枚だと僕は考える。

《センサー万別》×3

この構築では唯一“明確な仮想敵”を意識して採用されている1枚だ。 エンドフェイズに使用されることの多い《オルターガイスト・マルチフェイカー》が敷いてきた横盤面や、【オルフェゴール】が蓄えた墓地リソースに対する解答としてはうってつけであると考えた。 また、このカードの効力の及ばないデッキタイプ相手には【閃刀姫】自体のギミックで有利に立ち回れる相手が多いため、デメリットを考慮したうえで環境トップメタへの有効性から採用する価値があると考えた。

サイドデッキ

《真紅眼の黒竜》《ブラック・マジシャン》《真紅眼融合》×3

環境デッキに対するメタカードが採用されることの多いサイドデッキにおいてこのカード郡は異質な存在だ。僕はサイドデッキのスロットを空けるためメインデッキのエクストラから《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》と《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を採用しているが、このスロットを割く価値があるほどにこのカードたちは有用であると考えた。

《相乗り》等の【閃刀姫】へ対するピンポイントメタカードは分布数の減少により採用されることがほとんどない今、各デッキがサイドチェンジで投入してくるのは《ライトニング・ストーム》や《ツインツイスター》といった魔法罠カードへ触れるものや、《閃刀機関-マルチロール》を稼働させないための《幽鬼うさぎ》や《閃刀姫-カガリ》を止めるための《エフェクト・ヴェーラー》等の手札誘発が多い。 これらへの対抗策+メタカードを入れるとなるとサイドデッキの枠が15枚じゃ収まらないこと必至だ。

そこで目を付けたのが《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》ギミックだった。 大方予想される【閃刀姫】相手へ投入されるであろうサイドカードに対して滅法強く、サイクロン系統のカードから《センサー万別》や《閃刀機関-マルチロール》を守ることもでき、【オルターガイスト】のような相手ならば《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》1体で盤面を返し相手に処理を無理強いさせることもできたりとまさに一石三鳥のカードだ。

また、このギミックの採用は【トリックスター】や【真竜】等、使用者こそ一定数存在するものの専用メタを用意するほどの分布でもないデッキ相手でも、このカードは無理なくサイドインすることができ、サイドボードの安定性を飛躍的に向上させてくれた。 メインデッキに採用しなかったのはメイン戦であればこれらのギミックが無くても勝てると踏み、デッキの安定性を損ねないための判断だったが、環境後半では《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を搭載したデッキが非常に多かったためメインデッキに採用するべきだったかもしれない。

“《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》は《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》でしか倒せない”というアニメ版No.を彷彿とさせるような言葉を知人から受けたが、まさにその通りだった。

当たり前と言ってしまえばその通りだが、魔法カードが多い【閃刀姫】では《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》は《神聖魔皇后セレーネ》で蘇生する場面も訪れるので覚えておくといいだろう。

《幻創龍ファンタズメイ》×2

メインデッキに召喚されてしまい閃刀カードを発動できなくなってしまうため、《センサー万別》と同様にアンチシナジーを発生させてしまうカードではあるが、今の環境とこの【閃刀姫】の構築に対してそれ以上の働きをしてくれるため採用した。

効力の少ないカードを抜き効力の高いカードを入れる以上サイドチェンジ後はサイドカードを引き込んでいるほうが優位に立てるのは当たり前だが、このカードは単体で明確な脅威として成立するうえに他のサイドカードや手札誘発を引き込んでくれるというのは非常に魅力的である。 後攻の際にありがちな《閃刀姫-ハヤテ》で落としたカードを《閃刀姫-カガリ》で回収する動きを敢行する際の助力になり、その後はそのまま《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》のリンク素材として活用できるため無駄が無い。

気持ち程度ではあるが、デッキに戻さなければならない札も素引きしてしまった《ブラック・マジシャン》と《真紅眼の黒竜》や複数枚引き込んでしまった《真紅眼融合》をデッキに戻すことができればなお良しだ。

エクストラデッキ

《神聖魔皇后セレーネ》

このカードの用途は《水晶機巧-ハリファイバー》とほぼ同じで、リンク数を伸ばすために採用されている。《水晶機巧-ハリファイバー》から《エフェクト・ヴェーラー》を送り出すことにより簡単に召喚することができ、魔法カードが墓地に溜まりやすい【閃刀姫】では容易にその効果を発動しリンク4へと繋げることが出来るだろう。

《アクセス・コードトーカー》

前述した《神聖魔皇后セレーネ》から簡単に送り出すことのできるリンク4モンスター。 こいつと《神聖魔皇后セレーネ》の登場により【閃刀姫】は”伸びた”といっても過言ではない。基本的に《神聖魔皇后セレーネ》を素材として召喚するため攻撃力は5300となり、こいつを送り出す過程だけでも《リンクリボー》《神聖魔皇后セレーネ》《水晶機巧-ハリファイバー》と3属性溜まる上に《閃刀姫-カガリ》《閃刀姫-ハヤテ》《閃刀姫-カイナ》で6属性を溜めることもできる。相手の盤面のカードを6枚も破壊できるというのは《魔鍾銅》の発動後にありがちな相手の盤面に多くのセットモンスターが並んでいる状況を一枚で打破することができる。

《閃刀姫-ハヤテ》のダイレクトアタックを2回行えば相手のライフは5000、5300打点のこのカードの登場により“5000”という数字は明確な致死圏内であり、多くのゲームはこのカードのダイレクトアタックで勝負が終わる、【閃刀姫】が有する最強のフィニッシャーだ。

不採用カード

1枚だけではあるが、不採用カードにも触れていく

成金ゴブリン

多くの【閃刀姫】の構築において3枚採用されることの多いこのカードだが、今回は不採用とした。理由は僕が考えていたこの構築でのプランと噛み合わなかったためだ。

《魔鍾銅》《センサー万別》や多くの手札誘発によりスローペースな試合運びを意識した今回の構築において、“早い段階で墓地の魔法カードを3枚以上にできる”という点に魅力は感じなかった。

1000ポイント回復させてしまうのも以前ならば気にはならなかったが、《閃刀姫-ハヤテ》のダイレクトアタック×2と《アクセスコード・トーカー》のダイレクトアタックという明確なキルパターンを獲得したため今では大きな差が出てしまうと考え、今回は不採用とした。

3.各デッキ相手への立ち回りとサイドチェンジ

非常に長くなってしまっている上に環境終わりということもあるため、数デッキ分のみとしここは手短に書き記す、今後の環境の際の参考にでもなれば幸いだ。

VS【オルフェゴール】

先行

Out 《ハーピィの羽根箒》 《閃刀機-イーグルブースター》×1 《閃刀術式-ジャミングウェーブ》 《閃刀術式-アフターバーナー》

In 《アーティファクト・ロンギヌス》×3 《遡夜しぐれ》

後攻

Out 《閃刀姫-ロゼ》×1 《ハーピィの羽根箒》 《閃刀機-イーグルブースター》×1 《閃刀術式-ジャミングウェーブ》 《閃刀空域-エリアゼロ》 《強欲で貪欲な壺》×3 《センサー万別》×3

In 《アーティファクト・ロンギヌス》×3 《遡夜しぐれ》 《幻創龍ファンタズメイ》×2 《ブラック・マジシャン》 《真紅眼の黒竜》 《真紅眼融合》×3

基本的には《閃刀機関-マルチロール》と《閃刀機-シャークキャノン》を用いて相手の墓地リソースを枯らすことを意識する。 手札誘発が多く採用されているデッキではないため、ライフを削ったら早い段階で《アクセスコード・トーカー》をプレイし早期決着を狙いに行く。

手札と相談ではあるが基本的なマストカウンターは《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》だ、《IPマスカレーナ》+《オルフェゴール・バベル》程度の展開であれば捲れることも多いため、《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》のプレイは慎重に行おう。

2本目以降の後攻の際は積極的に《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》をプレイする、《閃刀姫-カガリ》で《閃刀機-ホーネットビット》を拾ってでも積極的にアクセスしている。《ツインツイスター》などの割り物が投入されることの多い2本目以降はこちらの永続罠の信頼度が下がるため、《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》で破壊から守る、ないしは早期決着を目指す。

VS【オルターガイスト】

先行

Out 《無限泡影》×3 《エフェクト・ヴェーラー》×1 《閃刀機-シャークキャノン》×1 《閃刀姫-ロゼ》×1 《強欲で貪欲な壺》×3

In 《幻創龍ファンタズメイ》×2 《ブラック・マジシャン》 《真紅眼の黒竜》 《真紅眼融合》×3 《サイクロン》×2

後攻

Out 《無限泡影》×3 《閃刀姫-ロゼ》×1 《強欲で貪欲な壺》×3 《センサー万別》×2 《閃刀機-シャークキャノン》×1 《メタバース》

In 《幻創龍ファンタズメイ》×2 《ダイナレスラー・パンクラトプス》×2 《ブラック・マジシャン》 《真紅眼の黒竜》 《真紅眼融合》×3 《サイクロン》×2

1本目は《エフェクト・ヴェーラー》や《無限泡影》が足を引きずり苦戦を強いられるだろが、その分《センサー万別》が強く使える。スローペースで閃刀カードを蓄えつつ一気に押し込む。

《閃刀機-シャークキャノン》を用いて《オルターガイスト・マテリアリゼーション》を阻害することを意識できればリソースゲームを優位に立ち回ることが出来る。 《閃刀姫-レイ》と《閃刀姫-ロゼ》の効果を一番多用する相手になるため、《閃刀空域-エリアゼロ》からもこれらを積極的に蓄えておくと戦いやすい。

2本目以降はとにかく《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の成立を意識する、【オルターガイスト】は環境でもトップクラスに《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》に弱く、このカード1枚で試合を決定づけることも多い。 《幻創龍ファンタズメイ》をプレイしたり、《リンクロス》を戦闘破壊し《閃刀姫-ロゼ》を特殊召喚することでとにかくモンスターを2体並べよう。 《閃刀機-イーグルブースター》で《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》への無効系をケアすることも忘れずに。

VS【ドラグーン】

相手がどのようなサブギミックを採用しているかによってサイドチェンジは左右されるが、基本的には

Out 《強欲で貪欲な壺》×3 《閃刀姫-ロゼ》×1 《閃刀機-イーグルブースター》×1

In 《ブラック・マジシャン》 《真紅眼の黒竜》 《真紅眼融合》×3

はほぼ全ての構築に対して行う。

VS【サンダードラゴン】

先行

Out 《エフェクト・ヴェーラー》×2 《無限泡影》×3 《ハーピィの羽根箒》 《強欲で貪欲な壺》×2

In 《ブラック・マジシャン》 《真紅眼の黒竜》 《真紅眼融合》×3 《アーティファクト・ロンギヌス》×3

後攻

Out 《ハーピィの羽根箒》 《強欲で貪欲な壺》×3 《閃刀姫-ロゼ》×1 《エフェクト・ヴェーラー》×2 《閃刀機-シャークキャノン》 《閃刀機-イーグルブースター》×1 《閃刀術式-ジャミングウェーブ》

In 《ブラック・マジシャン》 《真紅眼の黒竜》 《真紅眼融合》×3 《アーティファクト・ロンギヌス》×3 《ダイナレスラー・パンクラトプス》×2

ここ最近は【サンダードラゴン】の分布が減ってきているため、非常にメタを薄くしている。基本的には《魔鍾銅》に頼り切る試合運びとなるだろう。

絶対的な信頼を寄せることはできないが《センサー万別》もライフカットには1役買ってくれる。

《閃刀姫-ジーク》の登場により多少ではあるが《超雷龍サンダードラゴン》への耐性もついたため、序盤は《閃刀姫-ハヤテ》で墓地の魔法を溜めつつ《閃刀姫-ジーク》でシステムクリーチャーを除去しつつ《閃刀姫-シズク》で魔法を蓄えていくといったシンプルな試合運びとなる。 妨害を盤面のモンスターに頼り切っていて、阻害手段の少ない相手のため“墓地魔法3枚+《閃刀機-ウィドウアンカー》”の状況を積極的に作ればライフカットも容易い。

サイドチェンジ後は基本的には早期決着を狙う。 《超雷龍サンダードラゴン》や《雷神龍サンダードラゴン》といった高打点モンスターが多く並ぶため、《閃刀機-ウィドウアンカー》や《無限泡影》で破壊体制さえ消してしまえば《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》による大ダメージが期待できる。

《閃刀機-イーグルブースター》と《閃刀機-ウィドウアンカー》をかき集めることを意識していれば特に問題ないだろう。

4.あとがき

最後の方は駆け足となってしまいましたが、これでデッキ解説を締めたいと思います。

今季はもう終わってしまうが、やはり2年間使い続けたデッキということもあって来季も【閃刀姫】が第一線で活躍できるようならば使い続けていきたいと思っています。

【閃刀姫】は豊富なスロットに環境に合わせたメタカードを採用していくことで柔軟に対応していくことができるため、弱体化を受けることが無ければ来季も十分に戦っていけると考えているので、多分続投することになりそうです。

久しぶりの投稿で長くはなってしまったが、ここまで読んでくれた人たちがいたらありがとうございます。 質問などはTwitterでしてもらえれば、大体のことは答えられると思います。

アライブ (@8cmCHINKO)