モダンを滅殺せよ!ジェスカイ変身のススメ|細川 侑也
こんにちは、magi prosの細川 侑也です。 先日、公式より発表されたプレイヤーズツアー、およびツアーファイナルのフォーマット。その中でやはり衝撃的だったのは、次回開催のプレイヤーズツアー北九州(PT#2)のフォーマットが、スタンダードとモダンによる混合構築戦であるということでしょう。 パイオニアの発足により、モダンフォーマットを競技としてプレイする機会は減るものと思われましたが、今回の発表でその考えは変わりました。 再び、モダンを多くのプレイヤーが遊ぶようになるのではないかと思い、一人のモダン好きとして嬉しく思います。
というわけで今回は、近頃お気に入りのモダンのデッキについて紹介いたします。
■4マナ15/15のクリーチャー、な~んだ?
早速ですが、あなたはモダン環境で使用できるこんなクリーチャーを知っていますか?
点数で見たマナコストは4マナ。 パワー・タフネスは15/15。 プロテクション(有色の呪文)と飛行、そして滅殺6という恐ろしい能力が付いています。
正解は、《引き裂かれし永劫、エムラクール》です!
…わかります。何が言いたいか。安心してください、タイトル詐欺ではありません!
確かに、《引き裂かれし永劫、エムラクール》は4マナではなく、15マナです。 でも今回紹介するデッキは、この《引き裂かれし永劫、エムラクール》を4ターン目に出すことに特化したデッキなのです。 この記事を最後まで読めば、きっとあなたはこう思うでしょう。 「《引き裂かれし永劫、エムラクール》は4マナなんだ」と。
■デッキリスト
4《血染めのぬかるみ》 3《樹木茂る山麓》 3《沸騰する小湖》 3《乾燥台地》 4《ドワーフの鉱山》 4《蒸気孔》 2《聖なる鋳造所》 2《山》 2《引き裂かれし永劫、エムラクール》 4《不屈の独創力》 4《変身》 4《差し戻し》 4《急かし》 4《稲妻》 3《否定の力》 3《イゼットの魔除け》 2《流刑への道》 4《時を解す者、テフェリー》 1《盾魔道士、テヨ》 サイドボード 4《安らかなる眠り》 3《摩耗+損耗》 3《稲妻のらせん》 2《反逆の先導者、チャンドラ》 2《槌のコス》 1《盾魔道士、テヨ》
《変身》と《不屈の独創力》の8枚のソーサリーで、
《ドワーフの鉱山》から出るドワーフを《引き裂かれし永劫、エムラクール》に変えてしまう。
それがこのデッキです。
変身エムラは実は、《引き裂かれし永劫、エムラクール》がスタンダードで使えた時にも存在していたデッキで、実は歴史あるアーキタイプです。当時は《カルニの庭》のトークンに《変身》を打っていました。 追加の変身である《不屈の独創力》、更にトークンを生み出す手段が《ドワーフの鉱山》となり、大きく強化されました。詳しくは後述します。
このデッキは、モダンチャレンジでトップ8に入賞していた4色変身エムラから着想を得ました。 《不屈の独創力》によって変身が8枚体制となり、変身の種として《ドワーフの鉱山》を使うというそのコンセプトは素晴らしいと感じた一方で、不要と思えるパーツもいくつかあったため、コンセプトだけを踏襲して、デッキを一から組むことにしたのです。
まず、このデッキに絶対に必要な色は青と赤です。《不屈の独創力》と《変身》をプレイするため、この2色は必須です。
そしてしばらくイゼットカラーの2色でデッキを回していました。《血清の幻視》や《手練》といったキャントリップ呪文や、追加の妨害手段である《マナ漏出》、更に《精神を刻む者、ジェイス》を入れてイゼットコントロール風味のリストでした。
が、これはいまいちでした。キャントリップ呪文を大量に入れなくても、コンボが成立するからです。8枚の変身と《ドワーフの鉱山》(フェッチランド)を引くだけでゴールですからね。結果として、既にコンボは揃っているのに意味もなくドロー呪文を連打し、妨害できないまま相手に倒されたり、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を対処されて負ける展開が多かったのです。
そこで白は入れることにしました。相手への干渉手段と、妨害のできないタイミングでの変身仕掛けを可能にするのはそう、《時を解す者、テフェリー》です。
こうして、ジェスカイ変身のひな型が出来上がりました。
■ブリーチエムラとの差別化
ところで、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出すデッキと言えば、既にモダンにはブリーチエムラというデッキが存在します。 ブリーチこと《裂け目の突破》を使い、《引き裂かれし永劫、エムラクール》出して殴って勝利するデッキですね。
同じ《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出すデッキながら、ブリーチエムラとジェスカイ変身は全く違うデッキです。
まず、ブリーチエムラの魅力はなんといっても《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出してすぐに攻撃できるという点です。《引き裂かれし永劫、エムラクール》は多くの除去耐性を持っていますが、《反射魔道士》・《ヴェールのリリアナ》・《時を解す者、テフェリー》などで対処されてしまいます。
ブリーチエムラなら、《裂け目の突破》を出してすぐに《引き裂かれし永劫、エムラクール》で攻撃できるため、ほぼ対処手段は打ち消し呪文しかありません。コンボが成立した際により確実なのは、ブリーチエムラです。 《瞬唱の魔道士》を入れられるのも、ブリーチエムラの利点です。ジェスカイ変身は《変身》によって《引き裂かれし永劫、エムラクール》を確実にめくるために、他のクリーチャーを一切入れることができません。これは大きな違いです。
《瞬唱の魔道士》を入れることでコントロールプランも取りやすく、イゼットコントロールとしてもブリーチエムラは立ち回れます。サイドには《氷の中の存在》を入れるなど、別軸の勝ち手段も用意できますし、構築の自由度はブリーチエムラに軍配が上がると言って良いでしょう。 最後に、ジェスカイ変身はドワーフに《変身》か《不屈の独創力》を打つことでコンボを成立させるため、除去に弱いという欠点があります。ブリーチエムラは相手が除去を持っていようと関係ありません。
さて、ジェスカイ変身側の利点ですが、まずは必要なコンボパーツが非常に少ない点です。 ブリーチエムラは、それぞれ4枚しか入っていない《裂け目の突破》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》を2枚とも手札に揃える必要があります。
しかし、ジェスカイ変身は《変身》か《不屈の独創力》のどちらかを引けば、後は13枚のフェッチランド+4枚の《ドワーフの鉱山》の17枚の内どれかを引くだけで、4ターン目に《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出せます。コンボが揃う確率が、単純に全く違います。
また、《引き裂かれし永劫、エムラクール》は手札に来ても基本的には何もしないカードです。ブリーチエムラはこの不要牌を手札に持っていなければなりませんが、ジェスカイ変身は手札にある必要がありません。デッキに入れる枚数すら押さえることができます。エムラ事故が起きる確率が低いのです。
少し地味ではありますが、ブリーチエムラが一度しか《引き裂かれし永劫、エムラクール》で攻撃できないのに対し、ジェスカイ変身では何度も攻撃することができます。これは《引き裂かれし永劫、エムラクール》の攻撃で決まらないようなマッチにおいて重要です。例えばドレッジは15点を食らってもライフが残り、手札に《壌土からの生命》で溜めていた土地があれば、そこからすぐにリカバリーします。バーンも土地を手札に温存して、《引き裂かれし永劫、エムラクール》で攻撃された後に備えるでしょう。
《変身》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出すジェスカイ変身ならば、土地を温存されようとも関係ありません。ブリーチエムラで負けるパターンとして、「《引き裂かれし永劫、エムラクール》で攻撃したものの、後続が続かない」というものもあります。ジェスカイ変身ではその憂いはありません。 ジェスカイ変身側のメリットはこんなところです。意外と少ないと思いましたか? 安定した4ターン目《引き裂かれし永劫、エムラクール》着地。ほぼこれだけがジェスカイ変身側の魅力と言えるでしょう。しかしこの点こそが最重要ポイントであり、その他は小事です。
■各種カード解説
2《引き裂かれし永劫、エムラクール》
前述していますが、このデッキは《引き裂かれし永劫、エムラクール》を引いている必要はありません。そのため、枚数は本来最小限の1枚に抑えたいところですが、その1枚を引いてしまうと負けるので、念のため2枚入れています。 2枚とも引いてしまったら、《イゼットの魔除け》で捨てるしかありません。
4《不屈の独創力》/《変身》
4ターン目にドワーフを《引き裂かれし永劫、エムラクール》に変えるこれらのカードは、当然4枚ずつです。 ちなみに《不屈の独創力》は、このデッキでは《変身》の上位互換です。《変身》は対象となったクリーチャーがスタックで除去されてしまった場合に立ち消えとなってしまいます。しかし、《不屈の独創力》で2体のドワーフを対象にして、どちらかさえ生き残れば、それを《引き裂かれし永劫、エムラクール》に変えられます。 また、《墓掘りの檻》を張られた際、《変身》は無効化されてしまいますが、《不屈の独創力》は「一度追放してから戦場に出す」ため、《墓掘りの檻》の影響を受けません。まるで裏技みたいですね(笑)
4《差し戻し》
妨害にキャントリップが付いた恐ろしいカード。2マナの《時を解す者、テフェリー》みたいなものです。 このデッキは4ターン目に《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出すまでの間、ほぼ相手の妨害をし続けます。コンボパーツが揃いやすいという利点を生かし、再序盤をキャントリップに費やさないのです。 とはいえ、時にはコンボは成立しないもの。《差し戻し》はコンボ成立の確率を上げつつ、妨害をこなす素晴らしいカードです。
妨害にキャントリップが付いた(以下略)。 このカードの恐ろしいところは、3ターン目に唱えて生き残った場合に、相手のターンに《変身》を打てるという点です。 《ヴェールのリリアナ》や《反射魔道士》といった天敵も、《時を解す者、テフェリー》が生き残っていれば何も心配いりません。悠々と相手のエンド時にフェッチランドから《ドワーフの鉱山》をサーチし、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を呼び出せば良いのです。 このカードのために白を足しているようなもの。4枚以外考えられません。
4《急かし》
《変身》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出す戦略の弱点は、《変身》対象であるドワーフを狙われる点です。 《時を解す者、テフェリー》がいればその問題は解決しますが、いつでも《時を解す者、テフェリー》が残るわけではありません。そうなると、相手が除去を構えているだけでコンボが成立しなくなってしまいます。 しかし、相手はいつでも除去を構えるわけではありません。例えば手札に《ヴェールのリリアナ》があるのならば、出てきた《引き裂かれし永劫、エムラクール》を後出しで対処できるため、除去を構えずに盤面の展開を優先するでしょう。
そこで、《急かし》は活躍します。《引き裂かれし永劫、エムラクール》を対処する前提の相手を、予想外の角度から《変身》を打つことで倒せるようになるのです。 《急かし》は1マナのキャントリップ呪文ですから、どのマッチでも基本的にほとんど腐ることはありません。追加の《時を解す者、テフェリー》のようなイメージで使いましたが、想像よりも強い場面が多く、使い勝手の良さから4枚になりました。
3《イゼットの魔除け》
《引き裂かれし永劫、エムラクール》が手札に2枚来た場合の保険がほしくて入れました。どのモードでもそれなりに使うため、便利な呪文です。 《変身》や《不屈の独創力》は手札にかさばりやすので、必要に応じて《時を解す者、テフェリー》を探しに行くなどしましょう。除去として使える場面ではどんどん使っていくことをおすすめします。
4《稲妻》/2《流刑への道》
4ターン目に《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出すことが目標なため、序盤の攻勢を押さえるために除去は多めです。 《稲妻》と《流刑への道》の枚数は要調整です。アミュレットタイタンの《イリーシア木立のドライアド》が除去できずに負ける展開がそれなりにあったので、《流刑への道》を増やしても良いかなと思います。
3《否定の力》
《引き裂かれし永劫、エムラクール》が着地した後の《ヴェールのリリアナ》を防いだり、バーンに対してライフを守ったりと、様々な相手に重宝したので枚数を増やしていき、3枚で落ち着きました。 4ターン目に《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出してターンが返ってくるまでいかに生き延びるかがこのデッキの鍵であり、《否定の力》は生存に大きく貢献してくれます。アミュレットタイタンの《精力の護符》を打ち消せるか、バーンの《ボロスの魔除け》を打ち消せるかは、非常に重要です。
1《盾魔道士、テヨ》
フリースロットには、追加のトークン生成手段として、《盾魔道士、テヨ》を入れています。《ドワーフの鉱山》以外でも、《盾魔道士、テヨ》のトークンから《変身》でも《引き裂かれし永劫、エムラクール》が出せるのです。 3マナ以下でクリーチャーを生み出せる非クリーチャーカードであればなんでもよかったのですが、《盾魔道士、テヨ》は常在型能力であるプレイヤー呪禁が強力です。特にバーンに対しては、確実にダメージを吸ってくれます。 ジャンドの《ヴェールのリリアナ》に対しても強力で、先に《ヴェールのリリアナ》を出されていたとしても、《盾魔道士、テヨ》で悠々と《変身》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》を展開できます。
土地関連
《ドワーフの鉱山》で確実に4ターン目にトークンを生み出すため、このデッキには山以外のカードは1枚も入れていません。 フェッチランドは《ドワーフの鉱山》にそのまま変わるため、普通のデッキに比べてかなり多く入れています。その数13枚。14枚目か《蒸気孔》の4枚目かはかなり難しいですが、早いターンに置く土地はフェッチである必要がないこと、フェッチランドによるライフ損失を考慮して、現在は《蒸気孔》を4枚入れています。
青マナは17枚で、《差し戻し》・《イゼットの魔除け》などで2ターン目からほしい場面が多々あるので、ここは削らない方が良いでしょう。3枚目の《山》を入れたい気持ちをぐっとこらえるのです。 《山》以外の土地は入れないことをオススメします。《神聖なる泉》を入れても持ってくるタイミングはありませんし、サーチしたら最後、必ず《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出すのが1ターン遅れてしまいますから。
4《安らかなる眠り》
このデッキはドレッジがとてもきついので、キラーカードである《安らかなる眠り》はフル投入です。 というのも、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出して攻撃するのは5ターン目。それまでこのデッキはドレッジに対してほとんど妨害が行えません。ドレッジ側はただ普通にプレイするだけで5ターン目にこちらを倒してきますし、仮に《引き裂かれし永劫、エムラクール》で攻撃したとしても、即勝利にはならないのです。《這い寄る恐怖》によってライフは絶対に15以上ですし、土地が全部飛んだとしても、セットランド⇒速攻の付いた《恐血鬼》がゲームを終わらせてきます。
引かないと絶対に勝てないため、4枚です。
3《摩耗+損耗》
このデッキにとってのキラーカードである《血染めの月》や、アーティファクトを活用するウルザデッキ、またアミュレットタイタンなどにサイドインします。 特にタイタンデッキは《イリーシア木立のドライアド》さえ生き残らなければ、《引き裂かれし永劫、エムラクール》でまず先に攻撃できるため、確実に除去するために、《摩耗+損耗》は必須です。
《精力の護符》と《イリーシア木立のドライアド》を同時に割れたら儲けものです。
《イリーシア木立のドライアド》が入っているデッキにはまずサイドインしましょう。
3《稲妻のらせん》
アグロデッキ相手の追加の除去です。赤と白が入っているデッキならば、《稲妻のらせん》は素晴らしいサイドカードです。ビートダウン、とりわけボロスバーン相手には最高のカードですからね。
2《反逆の先導者、チャンドラ》
対コントロールにサイドインします。 アゾリウスコントロールなどは《引き裂かれし永劫、エムラクール》を《時を解す者、テフェリー》で対処してくるため、《変身》以外の勝ち手段が必要となります。 このカードは最高の回答と言えます。
2《槌のコス》
基本的には《反逆の先導者、チャンドラ》と同じ役割、すなわち対コントロール向けのカードです。同じプレインズウォーカーを入れすぎると手札でかさばってしまうため、枚数を散らしています。 《槌のコス》は出したターンに4/4で攻撃できるため、プレインズウォーカー殲滅能力が高いのが魅力です。 更に2回プラス能力を使うだけで大マイナスに到達できますし、大マイナスはほぼ勝ちです。 ちなみにマイナス2能力も使う場面があります。そう、このデッキに入っている土地はすべて山ですから、単純にマナがそのターンのみ倍になるのです。8枚の山が出ていたら16マナ、つまり《引き裂かれし永劫、エムラクール》を手札から場に出せます!
1《盾魔道士、テヨ》
性能は既に説明していますね。ジャンドやバーンに対してサイドインします。
■プレイ時に気を付けること
1.フェッチランドを大事に
このデッキのフェッチランドは、コンボパーツです。《ドワーフの鉱山》を出すためにきちんと使いましょう。
手札に《ドワーフの鉱山》とフェッチランドがある場合、1ターン目は《ドワーフの鉱山》からセットするのをオススメします。 《ドワーフの鉱山》を素引きしてしまった場合、4ターン目に置くと自分のターンでトークンが出て、ターンを返してしまいます。フェッチランドならば、インスタントタイミングで《ドワーフの鉱山》をサーチできますし、相手次第ではそのターンにサーチしないことも選べます。 相手が除去を構えていそうな時は、複数枚のフェッチランドを起動して《ドワーフの鉱山》を並べて《不屈の独創力》というパターンもありますし、《時を解す者、テフェリー》や《急かし》を絡めるならば、自分のターンで《ドワーフの鉱山》を置くのは損です。
フェッチランドは最後まで温存しましょう。 ただし、色マナがほしい場合などは別です。
2.色マナ確保
このデッキで最も使う色マナは青です。そのため、《蒸気孔》が最優先です。次点で《聖なる鋳造所》ですね。 《時を解す者、テフェリー》を引く可能性がありますから、ほとんどの場合で《蒸気孔》⇒《聖なる鋳造所》と置きます。
もちろん、相手のデッキがバーンなど、ライフが重要なマッチでは、後引きする白マナのことは考えず、1ターン目《蒸気孔》、2ターン目《山》を置きつつ《差し戻し》などを打ち、3ターン目も《山》という展開も十分にあります。 基本的には《蒸気孔》と《聖なる鋳造所》をサーチする、と覚えておきましょう。
3.《不屈の独創力》の使い方
既に説明していますが、《不屈の独創力》は《変身》の上位互換です。《墓掘りの檻》を貼られても問題なく《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出せて、その上単体除去をX=2以上でケアできるためです。
更に、《不屈の独創力》は一応相手のクリーチャーやアーティファクトにも唱えることができます。破壊した代わりにクリーチャーがライブラリーから出てきてしまいますが、例えば《難題の予見者》などには打つ価値はあるかもしれません。 《幻影の像》は対象に取った時点で生け贄に捧げることができるため、《不屈の独創力》で無条件に除去できます。覚えておいて損はないでしょう。
4.《時を解す者、テフェリー》の+1能力は、本人が戦場から離れても持続する
ものすごく基本的なことながら、見落としがちです。 《時を解す者、テフェリー》の+1能力により、《変身》をインスタントで唱えることができますが、これは《時を解す者、テフェリー》自身が場から離れても続きます。そのため、《時を解す者、テフェリー》が退場するからといって、焦って《変身》を打つ必要はありません。 特に《ヴェールのリリアナ》がいる場では、《ドワーフの鉱山》⇒《変身》の流れはエンド前に行う必要がありますから、きちんと《時を解す者、テフェリー》の退場を見送りましょう。
5.《ドワーフの鉱山》の使い方
《変身》の種となる《ドワーフの鉱山》ですが、むやみやたらとサーチをすることはオススメしません。コンボを決めるターン以外では基本的にフェッチランドを並べ続けるべきです。 《不屈の独創力》のX=2の場面でもそうですし、後に唱えた《時を解す者、テフェリー》を生かすためのチャンプブロッカーとして《ドワーフの鉱山》を使うかもしれません。とにかく、どうでもいい時に1/1を出して殴りに行く必要はありません。 《ヴェールのリリアナ》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》を守るなど、《ドワーフの鉱山》がデッキに残っていることには大きな意味があります。大事に使いましょう。
■《引き裂かれし永劫、エムラクール》の対処手段を暗記しよう
このデッキのゴールは言うまでもなく《引き裂かれし永劫、エムラクール》です。そしてこのカードを対処する手段は本当に限られています。
その対処手段を暗記しておけば、「4ターン目に《変身》を打っても良いか」がわかります。 以下に、各デッキの《引き裂かれし永劫、エムラクール》対処手段を記しておきます。「なし」と書かれた相手には、《変身》を4ターン目に気軽に打って構いません。
・アミュレットタイタン ・赤単果敢 ・ディミーアウルザ ・ドレッジ ・デスシャドウ ・ヘリオッドカンパニー なし
・ジャンド 《ヴェールのリリアナ》
・エルドラージトロン 《解放された者、カーン》
※入っていない場合がほとんど。
・バント石鍛冶 《時を解す者、テフェリー》/《精神を刻む者、ジェイス》
・緑トロン 《解放された者、カーン》/《忘却石》/《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
・アゾリウスコントロール 《時を解す者、テフェリー》/《精神を刻む者、ジェイス》/《至高の評決》/《ドミナリアの英雄、テフェリー》
・ボロスバーン なし ※ただし、《跳ね返す掌》がサイドから入ってくる場合がある。
・人間 《反射魔道士》
※他にも《霊気の薬瓶》からエンド前に《幻影の像》でコピーされるなど。
こうして見ると、メタデッキの多くの相手には無条件に《変身》を4ターン目に打てることがわかると思います。エルドラージトロンやバーンに対してもほぼ安全ですからね。 一方、青いデッキは《時を解す者、テフェリー》が入っている場合がほとんどなため、《引き裂かれし永劫、エムラクール》の着地は勝ちに繋がりません。対戦相手のターン終了時に仕掛けたり、、《否定の力》などをしっかり構えましょう。
■終わりに
いかがだったでしょうか。 モダンはパイオニアよりも更にたくさんのカードが使用できるフォーマット。ジェスカイ変身のような、4ターン目に15/15を出すようなデッキも成立します。 また、対処カードがあまりないからこそ、派手なデッキが活躍できるというのは、モダンの特徴と言っても良いでしょう。 《引き裂かれし永劫、エムラクール》で攻撃したい方は、ぜひお試しあれ。