ティムール再生攻略ガイド | 細川 侑也
こんにちは、magi proの細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 新セット『イコリア:巨獣の棲処』が発売して2週間。この2週間の間に、マジックフェスト・オンラインをはじめとする様々なトーナメントが行われ、凄まじい勢いでスタンダード環境は激変を続けています。 そんな中、今最もスタンダードで使うべきデッキ、「ティムール再生」の話を、本日はしていきたいと思います。 これまでのようなデッキ紹介ではなく、ティムール再生の詳しいガイドとなります。
1.ティムール再生とは
ティムール再生とは、その名の通り、ティムールカラー(青緑赤)で構成された、《荒野の再生》デッキです。
《荒野の再生》によるエンドフェイズのアンタップを利用し、多大なマナを生み出して《発展+発破》を叩き込んで勝利するというコンボを搭載した、コントロール・コンボです。 《荒野の再生》のおかげでメインでアクションを起こしながら相手のターンでも土地を使えるため、打ち消し呪文と相性がよく、打ち消しの効く相手の多い環境ならば、良い選択のデッキです。 逆に打ち消し呪文が効きづらい早いアグロなどを苦手としています。
ティムール再生の魅力は、コントロールデッキという側面を持ちながら、回った時のパワーが非常に高い点にあります。 アグロを苦手としているとは言いましたが、2ターン目に《成長のらせん》を打ち、3ターン目に《荒野の再生》を着地させて相手のターンで妨害をしつつ、4ターン目に《発展+発破》で5枚引きながら更に盤面を除去、といった展開は、アグロと言えどひとたまりもありません。
それ以外にも、このデッキは《成長のらせん》や《選択》などキャントリップ呪文を大量に採用しているため、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の脱出が他のデッキよりも比較的早いのです。 そのため、《荒野の再生》がなくとも、ドロー⇒除去→打ち消しで序盤のダメージを押さえて《自然の怒りのタイタン、ウーロ》1枚で勝利することもあります。
アグロにも十分に戦えるデッキですし、構成を変えれば有利にもなります。 《荒野の再生》を封じてしまう《時を解す者、テフェリー》という天敵こそいるものの、メインから大量に打ち消し呪文を採用しているため、簡単に《時を解す者、テフェリー》を通してしまうようなことはありません。
まるで勝てないというような相手は、ほとんどいないと言って良いでしょう。そして相性の良い相手にはとことん強いのが、このティムール再生なのです。
2.環境おさらい
ティムール再生について軽くわかってもらえたところで、ここでスタンダード環境を振り返りましょう。 まずは今スタンダードで最も意識しなければならない相手、ジェスカイファイアーズです。
相棒:《巨智、ケルーガ/Keruga, the Macrosage》
2:《ヴァントレス城/Castle Vantress》 3:《寓話の小道/Fabled Passage》 4:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 3:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》 4:《蒸気孔/Steam Vents》 4:《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome》 4:《サヴァイのトライオーム/Savai Triome》 2:《島/Island》 2:《山/Mountain》 1:《平地/Plains》 4:《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》 1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower》 4:《炎の騎兵/Cavalier of Flame》 3:《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》 4:《予見のスフィンクス/Sphinx of Foresight》 1:《古き道のナーセット/Narset of the Ancient Way》 4:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》 1:《払拭の光/Banishing Light》 4:《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》 1:《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》 4:《創案の火/Fires of Invention》 サイドボード 2:《払拭の光/Banishing Light》 1:《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》 2:《炎の一掃/Flame Sweep》 2:《エイスリオスの番犬、クノロス/Kunoros, Hound of Athreos》 3:《軍勢の戦親分/Legion Warboss》 4:《神秘の論争/Mystical Dispute》
昨年に『エルドレインの王権』が発売してからずっとメタゲームの最前線を走り続けているジェスカイファイアーズですが、『イコリア:巨獣の棲処』で《巨智、ケルーガ》という強力な相棒を獲得したことにより、その強さは支配的なものとなりました。
これまでのジェスカイファイアーズは《創案の火》を置いた後の展開にどうしても難がありました。《炎の騎兵》か《帰還した王、ケンリス》を引き込めば速やかにゲームを終わらせられるものの、その2種を引けなければ《創案の火》を持て余す展開も多く、《創案の火》の設置=勝利とはなりませんでした。
しかし、確実に5ターン目にキャストしてドローできる《巨智、ケルーガ》によって、《創案の火》の設置は限りなく勝利に近い動きになりました。3ターン目の《時を解す者、テフェリー》から始まり、《創案の火》⇒《予見のスフィンクス》からの5ターン目の《巨智、ケルーガ》は、このデッキの勝ちパターンです。 《轟音のクラリオン》と《砕骨の巨人》によって対アグロ性能が高く、コントロールにも《時を解す者、テフェリー》から《創案の火》というブン回りパターンで勝利できるという、隙のないパーフェクトなデッキと言えるでしょう。
そんなジェスカイファイアーズに対抗するのは、『イコリア:巨獣の棲処』によって誕生したデッキ。
相棒:《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》
4:《繁殖池/Breeding Pool》 4:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 4:《寺院の庭/Temple Garden》 4:《寓話の小道/Fabled Passage》 1:《インダサのトライオーム/Indatha Triome》 4:《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》 4:《神秘の神殿/Temple of Mystery》 4:《豊潤の神殿/Temple of Plenty》 2:《森/Forest》 4:《島/Island》 2:《平地/Plains》 3:《裏切りの工作員/Agent of Treachery》 4:《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》 3:《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》 3:《伝承の収集者、タミヨウ/Tamiyo, Collector of Tales》 4:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》 3:《霊気の疾風/Aether Gust》 4:《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》 4:《成長のらせん/Growth Spiral》 3:《中和/Neutralize》 4:《海の神のお告げ/Omen of the Sea》 4:《サメ台風/Shark Typhoon》 4:《空の粉砕/Shatter the Sky》 サイドボード 1:《霊気の疾風/Aether Gust》 3:《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》 1:《ガラスの棺/Glass Casket》 3:《秋の騎士/Knight of Autumn》 3:《神秘の論争/Mystical Dispute》 3:《狼の友、トルシミール/Tolsimir, Friend to Wolves》
なんとマジックの常識を覆す95枚デッキ。 デッキに4枚入っているキーカードをきちんと引くために、常にメインデッキは60枚であるべきなのですが、《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒に指定するためには、デッキを80枚以上にする必要があります。
《成長のらせん》は絶対に2ターン目に唱えたいカードですが、《空を放浪するもの、ヨーリオン》の制約によってそれは叶いません。しかし、それでもデッキを80枚にする価値がこの相棒にはあります。 《空を放浪するもの、ヨーリオン》が相棒であるというプレッシャーは計り知れません。戦場に《エルズペス、死に打ち勝つ》や《裏切りの工作員》は戦場に出た時に多大なインパクトを与えますが、《空を放浪するもの、ヨーリオン》は4/5飛行のサイズとともに、再インパクトをもたらします。それらが場に複数設置してあろうものならば、《空を放浪するもの、ヨーリオン》が戦場に出ただけでゲームが決まってしまいます。
ヨーリオンランプはとにかく《エルズペス、死に打ち勝つ》を有効活用するデッキです。1度唱えて次のターンに第二章を向かえれば、《空を放浪するもの、ヨーリオン》で再度使いまわすこともできますし、《空を放浪するもの、ヨーリオン》が何かしらの方法で墓地に落ちようものならば、第三章で戦場に戻し、5/6飛行のサイズと共に戦場に新たなインパクトを与えます。 ジェスカイファイアーズは《エルズペス、死に打ち勝つ》がとても効く相手であり、ヨーリオンランプが相性の良いとされるゆえんはそこにあります。 《空を放浪するもの、ヨーリオン》を使ったデッキはバントヨーリオンランプに留まりませんが、《エルズペス、死に打ち勝つ》を採用しているヨーリオンデッキは、ジェスカイファイアーズに相性が比較的良いと言えるでしょう。 一方、これらのデッキはラクドスサクリファイスのようなアグロデッキを苦手としており、このようにメタゲームは回っているのです。
そして、ジェスカイファイアーズとヨーリオンランプに相性が良いデッキこそが、ティムール再生なのです。
3.なぜティムール再生は強いのか
前述の通り、ティムール再生はコンボを内蔵したコントロールデッキで、メインから大量に打ち消し呪文を採用しています。そしてこの打ち消しこそが、ジェスカイファイアーズ・ヨーリオンランプ双方へのカギとなるのです。 ファイアーズに対しては《創案の火》さえ消してしまえば、ただの重いクリーチャーデッキですし、《荒野の再生》+《発展+発破》のコンボを触る手段はありません。 ヨーリオンランプも同じく、《荒野の再生》に触る術は限られます。
どちらのデッキも《荒野の再生》を無事に着地させることが容易であり、またアクションが大ぶりなため打ち消し呪文がよく突き刺さります。ティムール再生にとってくみしやすい相手と言えます。 もちろん、これらのデッキは《荒野の再生》を1枚で機能不全に陥らせる憎き《時を解す者、テフェリー》を採用しているのですが、この《時を解す者、テフェリー》をバックアップする手段がどちらのデッキにもありません。
前環境のアゾリウスコントロールにティムール再生が勝てなかった理由は、《時を解す者、テフェリー》を守ったり、無理やり通したりする手段が豊富だったからです。《時を解す者、テフェリー》が通って《ドビンの拒否権》を構えたり、《神秘の論争》で無理やり《時を解す者、テフェリー》を通されてしまうと、ティムール再生はお手上げでした。
しかし、ジェスカイファイアーズもバントランプも《時を解す者、テフェリー》を守るカードをまず採用していません。ティムール再生相手には無事に解決して場に残り続けることを祈りながら唱えるしかないのです。
そして当然のことながら、ヨーリオンランプはデッキ枚数が80枚ですから、《時を解す者、テフェリー》を引かれる確率は他のデッキほど高くありませんし、複数枚引かれる可能性は更に下がります。 《時を解す者、テフェリー》を使ったデッキの多くがヨーリオンランプであることも、ティムール再生にとっては喜ばしいのです。 以上の理由から、僕はウィークリーチャンピオンシップ1に、ティムール再生を持ち込みました。
4.デッキリストと一部カード解説
4:《ケトリアのトライオーム/Ketria Triome》 4:《繁殖池/Breeding Pool》 4:《蒸気孔/Steam Vents》 4:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》 1:《爆発域/Blast Zone》 3:《ヴァントレス城/Castle Vantress》 3:《寓話の小道/Fabled Passage》 2:《森/Forest》 2:《島/Island》 1:《山/Mountain》 3:《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》 4:《発展+発破/Expansion+Explosion》 4:《成長のらせん/Growth Spiral》 3:《神秘の論争/Mystical Dispute》 2:《タッサの介入/Thassa's Intervention》 2:《否認/Negate》 4:《選択/Opt》 2:《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》 4:《サメ台風/Shark Typhoon》 4:《荒野の再生/Wilderness Reclamation》 サイドボード 4:《霊気の疾風/Aether Gust》 1:《薬術師の眼識/Chemister's Insight》 3:《炎の一掃/Flame Sweep》 2:《否認/Negate》 2:《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》 2:《夜群れの伏兵/Nightpack Ambusher》 1:《神秘の論争/Mystical Dispute》
固定パーツが多いデッキなので、特筆すべき点だけいくつか言及いたします。
《サメ台風》
このカードは『イコリア:巨獣の棲処』で最も強力な1枚ですが、とりわけティムール再生では、その強さが更に際立ちます。 《荒野の再生》を構えてターンを返し、打ち消しと《サメ台風》の二段構えはどんなデッキに対しても脅威になりますし、対アグロには序盤のブロッカーを出しながらカードを引き、コントロール相手には《サメ台風》でトークンを出しながらカウンターを構えるクロックパーミッションモードでの勝利が容易です。 そして何より大きいのは、天敵である《時を解す者、テフェリー》を潰せるという点。
これまでは《時を解す者、テフェリー》を着地させてしまうと、その処理にとても苦労しました。早いターンならば《神秘の論争》がありますが、3マナを立てた状態で出てくる《時を解す者、テフェリー》には、《神秘の論争》などを2枚使用するしかありませんでした。 しかし、《サメ台風》さえ手札にあれば、6ターン目に出てくる《時を解す者、テフェリー》がプラスしてこようとも、ターン終了時に生み出したトークンでまず落とせます。 このカードはどんな相手にも強く、ティムール再生で使うならば4枚にしない手はないと思います。
打ち消し呪文の選択
最も優先して採用すべき打ち消し呪文は《神秘の論争》です。後手で《成長のらせん》をプレイしながら《時を解す者、テフェリー》をカウンターできる唯一のカードですし、青い呪文以外に対してもほぼ確定カウンターとなります。
《荒野の再生》を設置すると対戦相手は《発展+発破》を打たれる前にゲームを決める必要があり、《神秘の論争》をケアして動いている余裕などありません。《荒野の再生》に対して出てきた《エルズペス、死に打ち勝つ》に対し、《神秘の論争》はしっかりと機能してくれます。 とはいえ、4枚入れていると後半に引いて腐る展開もあり、メインでは3枚が最も好みでした。 サイドボードに4枚目を入れているのは、対ランプ戦において《成長のらせん》を打ち消したり、相手の《否認》や《神秘の論争》を打ち消す際に必要になるためです。メイン戦よりも青い呪文の攻防が増えるため、4枚目が必要となるのです。
《タッサの介入》は打ち消しとドローを兼ねる使い勝手の良いカードなのですが、最大の問題点はたった一つで、後手番で《時を解す者、テフェリー》を打ち消せないことです。
《時を解す者、テフェリー》がひとたび戦場に出ると、打ち消し呪文はただの無駄牌となります。そして後手で《タッサの介入》を抱えたまま《時を解す者、テフェリー》着地は、それだけで敗北に直結します。 使い勝手は良いながらも《時を解す者、テフェリー》のせいで泣く泣く2枚に留めています。
そして最後が《否認》です。《時を解す者、テフェリー》と《エルズペス、死に打ち勝つ》、《創案の火》が打ち消す対象であるため、このカードにしました。
少し対コントロールに偏りすぎたチョイスなのではないかと感じるかもしれませんが、打ち消しを採用することを決めた時点で、これについては割り切っています。《本質の散乱》はラクドスサクリファイスにさほど強いわけでもありませんし、ジェスカイファイアーズに対しても今一つです。それならばきちんと効果を発揮する打ち消しを採用した方が良いと考えています。
《嵐の怒り》の不採用
プレインズウォーカーに対しても効果がある全体除去の《嵐の怒り》ですが、僕には帯に短し、たすきに長しという印象のカードに思えました。 まず、全体除去が4マナであるという点は対アグロでは致命的でした。《成長のらせん》から3ターン目に打てれば強力ですが、後手で4ターン目に唱えても間に合いません。そして、環境に最も存在するアグロデッキであるラクドスサクリファイスに、そもそも全体除去は効果が特別高いわけではありません。
《鋸刃蠍》、《囁く兵団》、《大釜の使い魔》といる場で《嵐の怒り》を打って果たして嬉しいでしょうか?《魔女のかまど》が置いてあれば《大釜の使い魔》の攻撃は継続しますし、《嵐の怒り》を打ったところで本当に勝てるのかはなはだ疑問です。 4マナあれば《荒野の再生》をさっさと設置してしまうのが、ラクドスサクリファイスへの勝利の近道だと思っています。除去か打ち消しで後続を妨害しながら、《発展+発破》を叩き込んでカードを引き、それらを使用して墓地を肥やして《自然の怒りのタイタン、ウーロ》で蓋をする。この展開に、《嵐の怒り》は不要だと感じました。
もちろん、全体除去が欲しい場面も訪れますが、中途半端に2枚ほど採用して引ける確証もなく、採用することで対アグロの勝率が大きく変動することはないと判断しました。アグロに強くしたいのであれば、《焦熱の竜火》を追加するのが良いと思います。
5.マリガンについて
軽いカードが手札にあるかどうかがキープ基準となります。《選択》、《成長のらせん》がある手札は、基本的にはキープできるでしょう。
《荒野の再生》があれば、多少重い手札でも始められます。《タッサの介入》、《荒野の再生》、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》のような初手は先手後手に関わらずキープしますし、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の代わりに《サメ台風》でも始めます。《荒野の再生》は序盤の遅れを一気に取り戻してくれますからね。
現在は相棒が存在するため、リスト非公開性のトーナメントでも、対戦相手のデッキがある程度わかるようになります。そのため、公開された相棒によってキープ基準を変えましょう。 《巨智、ケルーガ》を公開されたなら、相手はジェスカイファイアーズでしょうから、《神秘の論争》か《否認》は絶対にキープしておきましょう。
《時を解す者、テフェリー》を打ち消せるかどうかで勝敗が決まります。《時を解す者、テフェリー》さえ着地しなければ、《創案の火》が通ったとしても勝てる可能性が高いです。 《空を放浪するもの、ヨーリオン》に対しても《神秘の論争》はキープ基準となります。
ほとんどのヨーリオンデッキには《時を解す者、テフェリー》が入っていますし、スゥルタイヨーリオンも多数の青いカードが採用されていますから、まず序盤のカードとして機能することでしょう。
《夢の巣のルールス》はアグロデッキなので、《成長のらせん》か《焦熱の竜火》、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》など、序盤から動けるカード、あるいはゴールがきちんとある手札をキープしたいです。
6.サイドボーディングとゲームプラン
VSジェスカイファイアーズ
こちらが先手の場合
こちらが後手の場合
とにかく《時を解す者、テフェリー》がカギです。《時を解す者、テフェリー》を消してしまえば後続の《創案の火》も打ち消せて、ここまで行けばほぼ勝利。《創案の火》が出てきたとしても、こちらが《荒野の再生》と《発展+発破》を引き込めているのならば、勝てる可能性はあります。
《時を解す者、テフェリー》が出てこなかった場合は、《創案の火》を打ち消せばまずゲームセットです。 《創案の火》は一度通ってしまうと《神秘の論争》が機能しなくなり、《エルズペス、死に打ち勝つ》をはじめとした5マナの強力な呪文がすべて通るようになってしまいます。《創案の火》を打ち消せるかどうかがゲームの勝敗を分けます。そのため、《創案の火》に対処するために《時を解す者、テフェリー》は絶対に打ち消さなければなりません。
サイド後は《時を解す者、テフェリー》を巡る戦いに《軍勢の戦親分》が加わります。
先手では《軍勢の戦親分》に対して《神秘の論争》、《タッサの介入》、《霊気の疾風》のどれでも当たるため除去をサイドアウトしていますが、後手では《霊気の疾風》しかないため、《焦熱の竜火》を残すようにしています。
《選択》は墓地を肥やす手段として活用しますが、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を抜く関係上、重要性が下がるため、セットでサイドアウトしています。《選択》を抜くのは少し違和感があるかもしれませんが、初手で《選択》によって探しに行くカードを代わりにサイドインしているわけですし、問題ありません。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はこのマッチにおいて、特に後手ではキャストすると大きな隙となってしまいます。3ターン目に唱えたら相手の《時を解す者、テフェリー》か《創案の火》の着地を許してしまいますからね。
総じて、《時を解す者、テフェリー》と《創案の火》のことだけ考えながらゲームを進めていきましょう。
VSバントヨーリオンランプ
このマッチも《時を解す者、テフェリー》を巡る戦いなのですが、相手がメインから打ち消しを採用していることが大きなポイント。《荒野の再生》を確実に貼れるとは限りません。
無理やり序盤に《荒野の再生》を通したいなら、6ターン目まで我慢し、《発展+発破》を打てる状態で通しにいきましょう。これなら《中和》を《発展+発破》でコピーすることで《荒野の再生》を通しに行けます。ただし、《荒野の再生》を通された相手は必ず動いてきますので、《エルズペス、死に打ち勝つ》がまず飛んできます。個々の備えまできちんと考えておきましょう。
メイン戦はこちらの方が打ち消しが多く、《荒野の再生》+《発展+発破》をそこまで妨害されないので、《時を解す者、テフェリー》に冴え対処すればまず勝てるマッチですが、サイド後は相手も《神秘の論争》や《ドビンの拒否権》を入れてくるので、簡単には勝てません。
そのため、マナブーストから《サメ台風》連打というのが互いの一番の勝ち手段となります。
この《サメ台風》の打ち合いを制すために、《成長のらせん》や《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は積極的に妨打ち消していきたいです。返しで《時を解す者、テフェリー》を通されては意味がないので、《成長のらせん》については《神秘の論争》できる瞬間は限られますが、できるときはしっかりとカウンターしましょう。 《発展+発破》で相手の《成長のらせん》をコピーできるということもお忘れなく。
メインは《時を解す者、テフェリー》を打ち消して《荒野の再生》+《発展+発破》、サイド後はマナ加速から《サメ台風》。これだけ覚えておきましょう。
ヨーリオンファイアーズに対してもサイドボーディングは同じで構いませんが、《夜群れの伏兵》は入れずに《霊気の疾風》を1枚だけ入れておくのをオススメします。
VSラクドスサクリファイス
当たり前ですが、対《時を解す者、テフェリー》をある程度意識している構成のため、めちゃめちゃきついです。メインでは《成長のらせん》と《荒野の再生》と《発展+発破》が全部あることを祈りましょう。先手でその3枚が初手にあれば、割と勝てます。
《サメ台風》は積極的に序盤からブロッカーとして出していってください。 最終的に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》で蓋をする展開になるのですが、確実にここには《初子さらい》が飛んでくると思った方が良いです。そのための備えとして《否認》を構えておくか、何もないならば脱出しないでください。脱出しなければ死ぬようであれば仕方ありませんが。
サイド後は軽い除去と全体除去、追加のブロッカーと入るので、相性はそれなりに改善されます。《初子さらい》も残らないので《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は安心して脱出しましょう。 メインを取れればサイド後は先手で一本取りやすいので、何としてもメインを勝ちましょう。
《発展+発破》は《死住まいの呼び声》をコピーする展開がごく稀にあります。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》が一瞬だけ場に戻るので、3点ゲインと1ドローするインスタントとして使えます。レアケースですが一応覚えておいて損はありません。
VSジェスカイサイクリング
厳しい相手です。マッチ回数も多くないので、サイドボーディングについてもさほど自信がありません。 ボロスサイクリングは《荒野の再生》に触られることがないので比較的有利に感じたのですが、ジェスカイの場合は《霊気の疾風》と《神秘の論争》があるせいで、かなり厳しいと思います。
《型破りな協力》もこのマッチで最も強力なカードの1枚で、《神秘の論争》は相手の《神秘の論争》と《霊気の疾風》を打ち消す他、《型破りな協力》を対処するためでもあります。
このインアウトについては正直まだあまり自信がありません。
VS同型
同型で最も重要なのは《荒野の再生》です。通ってしまえば《発展+発破》がすぐにゲームを決めることになります。
vとはいっても《荒野の再生》は非常に通りづらいカードであり、ひとたびフルタップしてしまうと、今度は相手に《荒野の再生》を貼られるリスクがあります。 そのため、互いにマナを立ててターンを終了しあう展開になるのですが、そうなってくると《サメ台風》の打ち合いでゲームに決着がつきます。これはサイド後も変わりませんが、基本的には《サメ台風》ゲーです。大きく《サメ台風》を打った方が勝ちます。《荒野の再生》でゲームが決まる場合は、大抵《サメ台風》対決に勝てないと悟った側が意を決して動いた場合です。たまたま通れば《荒野の再生》から《発展+発破》で勝つこともありますし、対処できれば《サメ台風》で攻めている側が返す刀で《荒野の再生》を置いてそのままゲームが終わります。
それならばサイド後に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を残すべきだと思うかもしれませんが、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はやはりメインで3マナを寝かせるという行為にリスクが伴います。《時を解す者、テフェリー》と同じく、このマッチでは絶対に通せない《荒野の再生》があるのです。
実際にプレイしてみるとわかりますが、相手がメインでマナを寝かせてくることがほとんどないため、手札に《荒野の再生》がとにかくだぶつきます。沢山あるからと言って連打しにいこうとすると、《荒野の再生》を打ち消されてマナがほとんどない状態となり、返しのターンで《荒野の再生》を通されて一瞬で負けるので、1枚は絶対にサイドアウトすべきです。
サイド後にゲームを決めるのはほぼ《サメ台風》か《夜群れの伏兵》です。
《夜群れの伏兵》は《神秘の論争》しづらいクリーチャーですが、相手も《荒野の再生》のリスクを承知で消してくる場合があるので、《神秘の論争》でタップアウトした隙を突ける展開を想定して唱えましょう。《夜群れの伏兵》を消されて、返しで何もせずターンを返すと、脅威がないことがバレて、ダブついた《荒野の再生》を連打される可能性があります。
もちろん逆も然りですから、相手がフルタップの隙を突いてこなかった場合は、多少のリスクを負えます。機をお見逃しなく。
7.終わりに
いかがだったでしょうか。 ティムール再生は間違いなく、今スタンダードで立ち位置の良いデッキです。 このガイドを読んで、興味を持った方はぜひティムール再生を手に取ってみてください。 そして、今回の記事が僕のmagiで執筆する最後の記事となります。 magi prosとしての活動は終わりますが、もちろんこれからもマジックを続けていきますし、記事も別の形で執筆して予定です。 それでは皆様、またどこかでお会いしましょう。