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シールドデッキ入門 | 中村修平

もう今週には新セットのイコリアが発売されますね。 となるとそろそろプロツアー北九州だったのですがご多分に漏れずトーナメントマジックの世界も先の見えない休止状態。 正直先に関しては全く見通しが立ってないですね。つい先日も5月末にリスケジュールされたそのPTが再度キャンセルとなったというメールをもらったばかり。

おおよそ2ヶ月先ですらこれなのだからと慄いてたプレリリーストーナメントもこのタイミングでの中止が決定。 そりゃそうだよなとは思いますが本音ベースだとプレリリースで例のスペースゴジラを引いてMagiに出品したかった。 くらいを思う分には罰は当たらないでしょう。

なお、お店を介してプレリリースキットは購入可能ですし Magiでもディスコードを使ったオンライン対戦の場を立ち上げているとのことなのでぜひご利用いただければと思います。

さて、今回の記事ですが僕が普段やっているプレリリースでのデッキ構築の決定基準をなるべく簡易にしたものです 本当はプレリリーストーナメントの際に役立ててもらおうと考えてましたが 一緒に参加している友人や隣のプレイヤー、対戦相手にデッキ構築を聞けるという店舗での利点を ご自宅でのデッキ構築の際に近いものでも提供できればと考えています。 それでは進めていきましょうか

基本的には

シールド戦は6パック、14×6の84枚。 加えて通常プレリリースキットでは箔押しレア1枚を加えた85枚を最低40枚以上のデッキにして戦うという競技です。 強力なカードにアクセスしやすさを考えるとほとんどの場合で制限ギリギリの40枚が最適解 そして土地カードを引いたベストの23±1枚を85枚の中から見つけ出すのがシールド戦での極意となります。 はい、これさえ出来れば僕もあなたもシールドマスター。

と簡単にいけば苦労はしませんよね。何も手がかりがない中でそのベストの構築を探すのがどれだけ難しい事か ですが85枚中23枚では難しくても46枚に絞れるとしたら、それでも難しければ30枚まで狭めれるなら話は変わってきます。 デッキ構築をする上で重要なのは目的の為への補助線。 基準を設けて選別していく事。僕が基準に使っているの順番にこの3つ

  • ごとでの選別
  • カードの強さでの選別
  • デッキの目的での選別

これらの選別を通してデッキを構築していきます

色ごとの選別

まずはじめに見たほうがよいのは色ごとの選別。 最も分かりやすく簡単に選択肢を少なくする事ができますからね。 例えばよほど特殊な能力を持たない限り1マナクリーチャーはカット、 リミテッド戦での基準点はパワー2。それを満たせないものは必要ありません。 また満たしてるとは言ってもただの2マナ2/2、3マナ2/2などもまあ弱いです。これもさよなら 高コストのカードも基本的にはリストラの対象、 具体的には6マナ以上のクリーチャーはコモンであればひとまず考えないくらいでも大体OKですね。 呪文に関してはざっくり言うと初手にあって嬉しいかでどうかで判断。 ちなみに2枚あったら嬉しくなければ1枚を残してカット

初めは厳し目に選別してしまって問題ありません。 26枚から似たような強さのカード6枚から3枚抜いて23枚にする作業と 20枚から足りないカード3枚を復活させて23枚に付け足す作業では後者の方が全然楽ですし何が足りないかという視点で考えた方がわかりやすいですからね。

目安となる数字は10枚。 なぜ10枚かと言うとシールドデッキは基本的に2色、もしくは2色にプラスして薄く1色という構成が基本になるからです。 逆算して2色で23枚のカードを用意するには無色のカードという手があるにせよそれぞれで10枚くらいは必要になってきます。 場合によってはこの選別の段階で使える色の組み合わせが事実上決まってしまうプールというのもわりかし起こりえます。 また、この選別で3-4枚しか使いたいカードがない色が出てきた場合ラッキーになることが多いですね。 5色中1色が候補から脱落するだけで2色の組み合わせだと10通りから6通りと一気に半分にまで選択肢が減ります。

カードの強さで選別する

そんなシールドプールでは得てして2色だけで綺麗なデッキが組めてしまったりということも。 ですが現実は非情。 そう上手く事が運ぶのは精々10回に1回くらいではないでしょうか。 だいたいのケースにおいてはメイン色はともかくとして2色目の候補が同じようなレベルで困ってしまう。 そもそもメイン色すら決まらず、しかもどの色も10枚くらいは使えるカードがあってデッキが組めてしまうといった事態も少なからずあったりします。

そういう時に僕が選別基準にしているのが2つ目のカードの強さ。 ぶっちゃけてしまうとリミテッド戦ではカードの強さ≒レアリティの高さすね。 もちろん1つ1つのカードの比較でレアより優れたコモンというのは沢山あります。 ですが全体としてみるならばそもそもの素点が違い過ぎます。 たしかにこれまでのマジックの歴史でもリミテッド戦において1枚でゲームを終わらせるレベルのコモンが何枚かありました。 ですがアンコモンなら毎セットに1枚は、そしてレアなら10枚はあるというのが現実です。 普通のシールド戦よりもレアが、しかも平均点が高いレアが入ってくるプレリリースならなおさらレアの枚数は重要な要素です。 2色目候補で悩んだときはまずはレアの数。その後アンコモン、おまけで除去カードの枚数を比べてみると良いでしょう。

デッキの目的での選別

キーワード能力やそれによるシナジーというのはどの環境においても重要な要素。 イコリアであればおそらく、人間サイドか巨獣サイドへとデッキの構成を偏らせる必要があるでしょう。 ですがデッキを組む際に必要になるのはもう少し広く自分がどのような立ち位置を目指すかという事です。 マジックでよく言われているアグロ、ミッドレンジ、コントロールという考え方はリミテッドでもそのまま通用します。 アグロデッキであればマナカーブによりシビアになる必要がありますし、コントロールではアドバンテージの獲得手段や耐える為の除去と壁役、そしてフィニッシャーの存在が不可欠となります。デッキを形作る最終工程。マナ域の調整やタッチ色の検討なども大枠ができていればこそです。

ちなみにプレリリースだとデッキの構成に悩んだらアグロを組む事がおすすめですね。

アグロデッキはカードプールが弱い時の為の戦略で、 カードプール全体で強力なカードを持っていない側、 全てのカードを出し切られる前に倒してしまおうというもの。

一方でコントロールは発想としてはその対極、カードの質が対戦相手より自分が高いと考えるならよりゲームを長引かせた方が結果に反映されやすいはずと考える方。 そしてミッドレンジは立ち回りがその本質。 自分より早い相手にはやや遅く、つまりカードの質で勝負し 自分より遅い相手にはやや早く、質勝負に持ち込ませないよう より優位に立ち回る器用さ、そして何よりも環境への理解が求められます。

コントロールではカードの質、つまり良いパックを引くという前提が必要ですし ミッドレンジでは環境をある程度は理解しなくてはならない。 一方でアグロはとりあえず殴っておけば勝てるかもしれない相手がちょっと事故ったら勝てるかもしれないのはアグロの特権です。

デッキの目的が決まったらこの段階で解雇したカード達を見返してみましょう。 2枚は欲しくなった効果の薄い呪文や鈍重な6マナクリーチャー、2マナ2/2でも23枚目のカードとしてデッキに必要になってくる可能性がありませんか デッキの目的と合致しないカードを入れ替えたらデッキは完成です。 プレリリースの良いところは構成が気に入らなければいくらでも変更が効くところ。 意外とカードプールが強いことが判明したらコントロールへと移行しても良いですし、環境に慣れてきたらミッドレンジにデッキを作り変えてもよいのです。

ん、どのデッキも組めそうにない?   まあ、そんな時もあります。それがこのシールドという遊びの面白いところでもありますからね。そんな時は次のパックを開ける事をおすすめします。

それではまたどこかで                                    中村修平

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