モダン エムリーブリーチ入門|細川 侑也
こんにちは、magi prosの細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 先月に続いて、今回もモダンのデッキ紹介になります。 今日紹介するデッキは、今まさに僕が最も調整に熱を上げているデッキ。外出自粛で持て余した時間の大半を費やしています。対戦はもちろんのこと、一人回しが捗るデッキです。
1.デッキリスト
5:《冠雪の島/Snow-Covered Island》 1:《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》 1:《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》 4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》 3:《汚染された三角州/Polluted Delta》 2:《蒸気孔/Steam Vents》 1:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 1:《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod's Generosity》 4:《湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch》 2:《最高工匠卿、ウルザ/Urza, Lord High Artificer》 1:《タッサの神託者/Thassa's Oracle》 4:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》 4:《死の国からの脱出/Underworld Breach》 2:《金属の叱責/Metallic Rebuke》 2:《交錯の混乱/Muddle the Mixture》 4:《ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble》 4:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》 4:《アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabe》 4:《研磨基地/Grinding Station》 2:《モックス・アンバー/Mox Amber》 1:《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》 サイドボード 3:《夏の帳/Veil of Summer》 3:《神秘の論争/Mystical Dispute》 2:《摩耗+損耗/Wear+Tear》 2:《霊気の疾風/Aether Gust》 2:《崇高な工匠、サヒーリ/Saheeli, Sublime Artificer》 1:《最高工匠卿、ウルザ/Urza, Lord High Artificer》 1:《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》 1:《繁殖池/Breeding Pool》
2.コンボ解説
このデッキは、《死の国からの脱出》と《研磨基地》を利用した無限コンボデッキです。
手順は非常にシンプルで、 1.《研磨基地》を設置する。 2.《死の国からの脱出》を設置する。 3.《研磨基地》で0マナのアーティファクトを墓地に送り、ライブラリーを3枚削る。 4.《死の国からの脱出》で墓地から0マナのアーティファクトを脱出で場に戻す。 5.3と4を繰り返す。 6.ライブラリーが0枚になるので《タッサの神託者》で勝利。 とのこのようになっています。
《研磨基地》でライブラリーを削る枚数は3枚で、《死の国からの脱出》による脱出コストも墓地3枚。つまり0マナのアーティファクトがあれば、それだけでライブラリーがすべて掘れてしまうというわけです。
最速キルターンも、《研磨基地》・《死の国からの脱出》・0マナのアーティファクトの3種類がすべて手札にあれば3ターンキルと比較的早めです。
3.各種カード解説
《死の国からの脱出》
レガシーで禁止カードとなったことが記憶に新しい、『テーロス還魂記』の問題児。強くなった《ヨーグモスの意志》と呼ばれることも。 そしてこのデッキにおいても、《死の国からの脱出》は《ヨーグモスの意志》以上に強いカードとなっています。《研磨基地》との無限コンボは《ヨーグモスの意志》では成立しませんからね。
《死の国からの脱出》の素晴らしい点は、墓地さえ肥えていれば、単体でコンボ始動が行える点にあります。 墓地にカードが10枚以上あり、その中に《研磨基地》が含まれていれば、《死の国からの脱出》で最初に《研磨基地》を拾ってしまえばいいのです。
コンボパーツの一角であるため、当然4枚です。
《研磨基地》
コンボパーツ、その2。 アーティファクトを生け贄に捧げることで3枚のライブラリーが削れますが、もちろん基本的には自分にしか起動しません。 稀に《タッサの神託者》が追放されてしまった際に相手を狙うこともありますが、まず成就しないでしょう。
《研磨基地》自体もアーティファクトなため、自身を生け贄に捧げて3枚削ることもできますし、戦場に出た際にアンタップ能力が誘発するので、その能力のスタックで他のアーティファクトを生け贄に捧げることで、ちょっとお得感を得られます。
単体で強いカードではありませんが、2ターン目に設置したいため4枚。
《湖に潜む者、エムリー》
墓地肥やし、コンボパーツ収集の2つの仕事をやってのけるすごいマーフォーク。 《研磨基地》を拾えばコンボ達成が容易になりますし、《ミシュラのガラクタ》を使い回してドロー、《仕組まれた爆薬》での盤面掃除、また墓地を肥やすことは《死の国からの脱出》を使うこのデッキではメリットしかありません。 こんなに強いカードが1~2ターン目に出せるのですから、このデッキは恐ろしい。《湖に潜む者、エムリー》さえ生き残れば、エムリーブリーチはほとんど勝ちます。 4枚以外にありえません。
《時を解す者、テフェリー》
青と白が入ったコンボデッキを使えば大体入ってしまう便利なプレインズウォーカー。 このデッキでは《時を解す者、テフェリー》が生き残ることに特別な価値はありませんが、放置しておくと相手は妨害が困難になります。カードを引かれた上に対処を強要されるという、相手視点からするとすさまじく嫌なカード。 《モックス・アンバー》でマナを出すのにも一役買います。 使った《死の国からの脱出》を回収したり、《モックス・アンバー》を唱え直して1マナを増やすなど、できることは無限大。 4枚から枚数を変えようとは思いませんでした。
《アーカムの天測儀》/《ミシュラのガラクタ》
それぞれ軽量キャントリップ呪文。 《湖に潜む者、エムリー》とのシナジーが素晴らしいカードたちですね。 《ミシュラのガラクタ》は、フェッチランドとシナジーがあります。手札にフェッチランドがある場合は《ミシュラのガラクタ》で自分のライブラリーを見ましょう。ライブラリーのトップが欲しいカードであればフェッチランドを使わず、逆にいらないカードならフェッチランドでライブラリーをシャッフルすれば良いのです。 《ミシュラのガラクタ》は0マナなので、コンボの際には墓地と場をぐるぐると行き来することになります。 デッキの潤滑油となるこれらのカードは当然4枚です。
《仕組まれた爆薬》
0マナのアーティファクト界最強のカード。 コンボまでの猶予ターンを稼ぐ除去となるだけでなく、最終的にはコンボパーツとして活躍と、このデッキでは獅子奮迅の活躍を見せます。 《湖に潜む者、エムリー》による《仕組まれた爆薬》は実質ロックのようなものです。 《アーカムの天測儀》があるため、最大でX=5までカウンターを載せることができます。 コンボデッキはどうしても相手への干渉手段が乏しくなってしまいがちですが、このデッキはコンボパーツであり強力な除去である《仕組まれた爆薬》が使えることで、比較的早いデッキに対しても耐性があります。 《仕組まれた爆薬》で自身の《アーカムの天測儀》を吹き飛ばすことで、《湖に潜む者、エムリー》で使い回す、ということも可能です。 このデッキを影で支える1枚と言って良いでしょう。4枚以外に考えられません。
《最高工匠卿、ウルザ》
凄まじいパワーを持つカードですが、このデッキでは少し重いため、2枚に枚数を押さえています。《湖に潜む者、エムリー》と《モックス・アンバー》のバックアップを受けないとなかなか3ターン目には出せません。 このカード自体がコンボに絡むことがあまりないのも、2枚の理由の1つです。 とはいえ、一度戦場に出て生き残ってターンが帰ってきてしまうと、凄まじい強さです。0マナのアーティファクトがすべて《Mox Sapphire》になるわけですからね。
コンボに絡むことがあまりないとは言いましたが、《最高工匠卿、ウルザ》が生き残った状態であればマナが潤沢なので、《研磨基地》を使わずに《死の国からの脱出》だけでコンボを始めることもできます。 《湖に潜む者、エムリー》が場か墓地に合計2枚あれば、青マナの数だけ《湖に潜む者、エムリー》を場に戻すことができます。2枚目の《湖に潜む者、エムリー》を場に出すとレジェンド・ルールで片方が墓地に行くためです。これを繰り返すことで、《湖に潜む者、エムリー》が4枚を削り、脱出に墓地を3枚使うので、実質青マナ1つでライブラリーを4枚掘り続けることができるのです。
この過程で《研磨基地》が落ちてくれれば場に戻して、後は無限ループを行うだけです。
また、サイド後は墓地を狙われることが多いため、追加の《最高工匠卿、ウルザ》をサイドボードに用意しています。
《金属の叱責》
アーティファクト主体のデッキならほぼ1マナで打てる《神秘の論争》。そう聞くとかなり強そうですが、実際強いです。 相手への干渉手段はほぼ《仕組まれた爆薬》だけなため、《金属の叱責》でそれを補っています。《仕組まれた爆薬》の機能しづらいコンボのような相手には重宝しますね。 ただやはりこちらのコンボに関わらないカードなので、2枚以上は入れたくないと思いました。
《交錯の混乱》
このデッキは《死の国からの脱出》がなければコンボが始動しないため、サーチできるカードとして《交錯の混乱》を採用しています。 《研磨基地》もサーチできますし、そのままプレイしても悪くない性能です。 《湖に潜む者、エムリー》を守る場面が多いと思いますが、《風景の変容》や《むかつき》などを打ち消すのにも使えますね。
《モックス・アンバー》
《オパールのモックス》は残念ながら禁止になってしまったので、《モックス・アンバー》を入れています。《湖に潜む者、エムリー》、《最高工匠卿、ウルザ》、《時を解す者、テフェリー》が戦場にいるとマナが出るため、意外とジェネリック《オパールのモックス》になります。 なぜ2枚入っているかというと、それは《タッサの神託者》をプレイするためのマナを最終的に《モックス・アンバー》から出せるようにするためです。 詳しくは後述します。
《タッサの神託者》/《上天の呪文爆弾》※小見出し
《タッサの神託者》は最終的なフィニッシャー。 そして《上天の呪文爆弾》は、《湖に潜む者、エムリー》で回収できる便利なカードではありますが、《タッサの神託者》をやむを得ず場に出してしまった際の保険としての役割が強いです。 《タッサの神託者》が場に出てしまった場合、除去やチャンプブロックで墓地に落ちてくれれば良いのですが、場に残ってしまった場合、無限ループが決まってもゲームに勝てません。 《上天の呪文爆弾》さえあれば、《タッサの神託者》を手札に戻して出し直すことで勝利できます。 《上天の呪文爆弾》のスロットは《撤廃》でも良いのですが、ちょうどライブラリーが0枚になった時に《タッサの神託者》に打てない点、《湖に潜む者、エムリー》で拾える点から、《上天の呪文爆弾》にしています。
ここからはサイドボードです。
《夏の帳》/《繁殖池》
手札破壊、または打ち消しが入っているデッキにサイドインします。前者はジャンド、後者はバントコントロールですね。 《繁殖池》とセットで入れることになるのですが、その際は単純に土地を増やします。 このデッキは仕掛けるカードが非常に軽いため、《夏の帳》は構えやすいです。特に《湖に潜む者、エムリー》を安全に出す際には重宝しますね。ジャンド相手には《突然の衰微》を躱せて便利です。
《神秘の論争》
主に《最高工匠卿、ウルザ》をプレイしてくるデッキにサイドインしますが、青主体のデッキにはおおむねサイドインします。 青いデッキは墓地追放や《外科的摘出》が入っていることが多く、《死の国からの脱出》によるコンボ勝ちが難しいマッチです。そのため、《夏の帳》と合わせて、コンボからミッドレンジに移行することになります。 そのため、《夏の帳》と《神秘の論争》どちらも多めに入っています。
《摩耗+損耗》
《安らかなる眠り》をはじめとしたエンチャント・アーティファクトを割ります。アミュレットタイタンの《イリーシア木立のドライアド》と《精力の護符》を同時に割るとすごいことになります。 アンチカードを割る役割はあるものの、《仕組まれた爆薬》でそもそも対処できるため、相手のサイドカードを割る目的だけではあまりサイドインしません。相手のメインに重要なアーティファクト・エンチャントが入っている場合に入れます。例えば《イリーシア木立のドライアド》などですね。
《霊気の疾風》
バーンなどの赤いデッキ、《原始のタイタン》デッキにサイドインできる便利なカード。これまでのバーン対策はほぼバーン単騎かアグロにしか効かないカードでしたが、《霊気の疾風》は《原始のタイタン》にも突き刺さる素晴らしいカード。
《崇高な工匠、サヒーリ》
墓地を介さない勝ち手段です。 0マナのカードがたくさん入っているこのデッキでは、3ターン目に着地させたターンに何体かトークンを生み出せます。 サイド後は相手が《湖に潜む者、エムリー》を除去するカードか、墓地追放を入れてくることになります。なので、どちらも引っかからない《崇高な工匠、サヒーリ》がちょうど良い勝ち手段となります。
《トーモッドの墓所》
《湖に潜む者、エムリー》で拾える墓地回収。ドレッジに入れます。2~3枚投入しても良いのですが、ドレッジに対してはそもそもコンボが間に合うことが多いので、少なめにしています。
4.コンボに関するあれこれ
まずコンボの下準備に必要な状態をまとめます。 ・墓地にカードが2枚以上ある ・《死の国からの脱出》が手札にある ・《研磨基地》が場に出せる状態にある(墓地からも可) ・0マナのアーティファクトが場に出せる状態にある(墓地からも可) ・《死の国からの脱出》と《研磨基地》が場にある状態で、 伝説のパーマネントをコントロールしているor青マナが1つ余っている これらの条件が揃っていれば、勝利できます。 コンボパーツの3種類(《死の国からの脱出》・《研磨基地》・0マナアーティファクト)についてはわかりやすいですが、最後の条件が少しわかりづらいのではないかと思います。
簡単に説明すると、《モックス・アンバー》からマナを生み出せれば最終的に《タッサの神託者》が場に出せるので、そのために必要なのが青マナか伝説のパーマネントです。
伝説のパーマネントがあれば、ループ中に《研磨基地》で生け贄に捧げるカードに《モックス・アンバー》を選ぶことで、マナを増やせます。青マナがあれば、ループ中に《湖に潜む者、エムリー》が落ちた時に、《湖に潜む者、エムリー》を場に出すことができ、そこから《モックス・アンバー》でマナを出せるので、結局マナが増えます。
2ターン目に《研磨基地》を設置して3ターン目に《死の国からの脱出》を置けば、1マナが余るので勝ちになります。これが最速3ターンキルですね。
下準備さえ整っていれば瞬殺ですが、実際にはどれかが揃っていないことも多いです。 とはいえ、《死の国からの脱出》さえ手札にあれば、後は墓地で揃えてもコンボは完遂します。そのため、《湖に潜む者、エムリー》が墓地に落ちていれば、見切り発車でプレイしてみれば、そこから《研磨基地》に繋がることもあります。
また、墓地がほとんどない状態でループを決める際に覚えておいた方が良いことも話しておきましょう。 墓地を肥やしている過程で重要なカードは、マナを増やす手段である《モックス・アンバー》、《湖に潜む者、エムリー》、フィニッシャーの《タッサの神託者》の3つです。
つまり、ループ中にこれらのカードが落ちた時は、なるべく脱出のために追放したくありません。墓地が0枚の状態で仕掛けてはならないのは、《タッサの神託者》が途中で落ちるとループが止まるからです。 では1枚ならどうでしょうか?結論から言うと、1枚でも途中で止まる可能性があります。 例えば《タッサの神託者》が先に落ちた場合、それ以外の3枚を追放することになります。そうなると余る墓地は0枚。この状況で《モックス・アンバー》だけが2枚めくれて追放されてしまうと、マナを増やす手段がなくなってしまい、《タッサの神託者》が場に出せなくなります。 そのため、安全なのは墓地が2枚以上ある状態です。これならば《タッサの神託者》と《モックス・アンバー》を1枚ずつ避けてループを続けられます。仮にここで2枚目の《モックス・アンバー》がめくれたとしても、最終的に《湖に潜む者、エムリー》に辿り着いた時には《モックス・アンバー》と《タッサの神託者》をそれぞれ墓地に残すことができます。 《湖に潜む者、エムリー》は墓地に落ちると、釣るだけで墓地が+1枚になるので、ループは決して止まらなくなります。
まとめると、 1.《湖に潜む者、エムリー》が2枚の《モックス・アンバー》と《タッサの神託者》より先に落ちれば、墓地に余りカードが1枚でも勝利 2.墓地に余剰カードが2枚ある状態ならコンボ始動してOK この2つを覚えておきましょう。5.TIPS
・《死の国からの脱出》の2枚貼り
相手が《突然の衰微》など、《死の国からの脱出》を割る手段を持っているであろう場合に、マナに余裕のある状況では《死の国からの脱出》で墓地から《死の国からの脱出》を唱えることで、ケアできます。 余裕があるといっても、前述の通り、最終的に青マナが1つあればそれだけで勝てるので、ケアする展開によくなります。特にサイド後は《摩耗+損耗》を入れられることも多いでしょうからね。
・白いデッキには《タッサの神託者》を途中でプレイしない
《タッサの神託者》をブロッカーとして唱えたい状況でも、白い相手に対してはプレイしない方が無難です。《流刑への道》されてしまうと、ループ後の勝ち手段がデッキになくなります。
ループさえ決まれば、最終的にデッキを0枚にすれば、《タッサの神託者》が通った時点でどう転んでも勝ちになります。 ブロッカーとして出したいこともありますが、ぐっとこらえましょう。
・《湖に潜む者、エムリー》ループと見切り発車
前述しましたが、《死の国からの脱出》による《湖に潜む者、エムリー》の連打は、マナさえあればコンボが成立する可能性が高いです。 《最高工匠卿、ウルザ》、《死の国からの脱出》、《湖に潜む者、エムリー》2枚あれば、アーティファクトを釣り上げればそのままマナになるし、青マナの数だけ《湖に潜む者、エムリー》を釣り上げられるので、かなりコンボが揃う可能性は高いです。 《死の国からの脱出》はターン終了時に消えてしまうため、見切り発車は危険ですが、次のターンに負ける状況ではせざるを得ません。効果的なループの方法を覚えておいて損はないです。 《時を解す者、テフェリー》が落ちて場に出せれば、《死の国からの脱出》を手札に戻せるため、マナが潤沢な状態なら見切り発車もアリです。
・土地を置く時はフェッチランドから
《死の国からの脱出》というカードの性質上、墓地の枚数は非常に重要です。既に説明していますが、墓地にカードが1枚もない状態だと、《研磨基地》《死の国からの脱出》0マナアーティファクトが揃っても勝ちにはなりません。なぜなら落ちたカードをすべて追放しなければならないので、最終的にライブラリーが0枚になった時に何も残らなくなってしまうからです。途中で《タッサの神託者》が落ちたらアウトですからね。 確実に勝つためには墓地にカードが2枚落ちている必要がありますので、常にフェッチランドから起動しましょう。
6.サイドボーディング指針
このデッキはとにかく墓地対策をサイドインされます。 《死の国からの脱出》は墓地にカードがなければ意味をなさないですし、《湖に潜む者、エムリー》も墓地を活用します。
そのため、墓地対策に対して無力なままサイド後に移行すると、高い確率で敗北します。機能不全に陥るカードが多すぎますからね。 なので、サイド後は墓地に絡むカードをサイドアウトしていきます。ずばり、《研磨基地》と《死の国からの脱出》です。
《死の国からの脱出》はまだ単体で活躍する場面がありますが、《研磨基地》はただ墓地を肥やす以外に何もできないため、積極的にサイドアウトしていくことになります。2枚までは抜いて、3枚目を抜くマッチもあります。デッキに1枚だけ残しておくのをオススメします。 《安らかなる眠り》に対して最低でも4枚の《仕組まれた爆薬》がありますから、最終的にはコンボで勝つ可能性も少なからずあります。 《死の国からの脱出》も1枚はサイドアウトすることが多いですね。 《湖に潜む者、エムリー》は非常に便利なカードなのでサイドアウトすることはありません。
墓地対策に対してサイドインするカードは、《崇高な工匠、サヒーリ》と《最高工匠卿、ウルザ》です。これらのカードは墓地を介さずに勝利できるカードであり、《安らかなる眠り》に最も強いと言えます。 とはいっても、墓地対策の中でクリティカルなのは《虚空の力線》と《安らかなる眠り》ぐらいです。
《大祖始の遺産》は結局、起動された後に《研磨基地》と《死の国からの脱出》を揃えれば関係ありません。《虚空の力線》と《安らかなる眠り》が入っていない相手に対しては、墓地で勝つことを恐れる必要はありません。
特筆事項としては、《大いなる創造者、カーン》が入っているデッキに対しては、全力で《最高工匠卿、ウルザ》と《崇高な工匠、サヒーリ》をサイドインします。《大いなる創造者、カーン》で《研磨基地》が止まってしまうためです。《大いなる創造者、カーン》にプレッシャーを積極的にかけていく必要があるのです。
7.終わりに
というわけで今回は、エムリーブリーチを紹介しました。 エムリーブリーチは今も調整中のデッキで、他にも様々なカラーバリエーションを試しています。 ちょうどこの記事を書いた前日に見たリストは黒を入れて《思考囲い》が入っていて、アプローチとしては非常に面白いなと思いました。 《死の国からの脱出》をモダンでも使い倒したい方におすすめのデッキです。ぜひお試しください。
それでは!