マジックザギャザリング 、「そのカードが欲しい・・・」から始まる、カードコレクションの魅力 | MTG コレクターJP(ブリス)
まず、このカードをみてもらいたい。
このカードは、マジックザギャザリング『フォールン・エンパイア』収録の『Elven Fortress』と『Thrull Wizard』のダブルプリントカードです。このダブルプリントカードは、コモンシートの上からアンコモンシートの原稿を重ね印刷したものです。ダブルプリントカードは、製造工程のミスで生み出された規格外のエラーカードで、その偶然性から、世界に1枚のカードです。 このカードを見て、興味をもってくれた方、もしくは、欲しいと感じたあなたは、カードコレクターの素質を持っているかもしれません。
■マジックザギャザリング
マジックザギャザリング(以降、マジック)は、アメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が 1993 年に発売し、現在 11 言語で発行されるトレーディング・カードゲームです。マジックは、友達とカジュアルに遊ぶことから、世界選手を通してプロの競技として競うこともできるカードゲームです。また、世界で初めてのトレーディング・カードゲームであり、カードを収集したり、友達とカードを交換したりするコレクション的な要素を持つカードゲームでもあります。 マジックは、これまでの歴史の中で、数多くのカードを生み出してきました。その中で、ゲームに影響を与える強いカードは、プレイヤーからも、コレクターからも、人気があり求められることから、高値で取引されています。特に初期に発行された強いカードは、数万円単位で取引されるカードも多く存在します。
このカードは、マジックのトップレアカードの Black Lotus(ブラックロータス)です。マジックで最も有名なカードなので、皆さんもご存じではないでしょうか。ブラックロータスは、マジックの初期セットに収録され、発行枚数が少ない希少性が高いカードです。また、カードは、コスト 0 で自分の望む色のマナを 3 マナ生み出せるという、桁違いのカードパワーを持っています。このように、希少性とのカードパワーを合わせ持つカードとして最も人気のあるカードと考えられます。 αエディションのブラックロータスのオークションでは、16 万 6100 ドル(約 1900 万円)で落札される出来事が起こりました。桁違いの金額で取引される事実をみても、このカードの人気の高さがうかがわれます。しかし、ブラックロータスは、最初から高額では取引されていたわけではありません。発売当時のアメリカのカードショップでは、同じカードが 250ドルで販売されていた記録が残っています。ブラックロータスは、その人気の高さゆえに、27 年間で 664 倍の高騰が起きたことになります。 このように、マジックのカードは、人気次第で高騰する可能性を秘めた魅力も持っており、コレクションとして、とても魅力のあるカードゲームです。
■マジックカードのコレクションの魅力
カードのコレクションを始める動機は、友達にカードの良さを共有して話題を盛り上げたり、SNS で「いいね」をもらいたいなど様々です。「そのカードが欲しい・・・」と思った瞬間に、カードコレクションの扉が開かれます。ここでは、マジックカードのコレクションの魅力をいくつか紹介します。
● 強いカードを集める魅力
大会でもカジュアでも、強いデッキで勝利したいと思う気持ちは、どのプレイヤーにもあ るはずです。
このカードは、『テーロス還魂記』のトップレアカードの『自然の怒りのタイタン、ウーロ』です。現スタン環境のコントロール系デッキなどで、猛威を振るう強力なカードです。 マジックプレイヤーであれば、対戦で勝利を収めるために手に入れておきたいカードの1つではないでしょうか。このように強いカードを集めることは、カードを集める魅力のひとつです。
● コンプリートの魅力
カードが増えてくると、手持ちのカードをカード・バインダーに入れて管理するプレイヤーも多いと思います。所有するカードを、カード・バインダーに整理して並べてみると、自分が持っていないカードに気付かされます。
カード・バインダーで持っていないカードを認識すると、そのカードが欲しいという気持ちなるプレイヤーも少なく無いでしょう。カードが欲しいという気持ちになった瞬間が、プレイヤーがコレクターに変わる瞬間です。最後の 1 枚を手にしてコンプリートしたときの達成感と感動がコレクションの魅力のひとつです。
● 資産となるコレクションの魅力
マジックの初期に発行された強力な 9 枚のカードは、パワーナインと呼ばれます。パワーナインには、先ほど紹介した『ブラックロータス』のほか、0 マナで毎ターン 1 マナを追加できる 5 種類の『モックス』、追加ターンを得られる『タイムウォーク』や、1 マナで 3枚のカードが引けるカードなど、どれも強力パワーカードです。パワーナインは、その魅力と希少性から、1 枚数十万で取引されています。
カードは、市場の需要により価格が変動します。市場性の高いカードは、時間が経過することにより、希少度が増して価格が上がります。コレクターにとって、コレクションカードの値段が上がることは、コレクションの魅力のひとつです。
● 好きなカードを集める魅力
マジックのプレイヤーには、お気に入りのカードが 1 枚はあると思います。お気に入りの登場人物、お気に入りのイラストレーター、お気に入りのクリーチャーなど、コレクターのこだわりで、好きなカードをコレクションします。
このカードは、マジックの生みの親でゲームデザイナーである、『リチャード・ガーフィールド』のサインカードです。筆者がマジックのイベント会場で、直接本人からサインをもらったカードです。このカードは、サインカードのコレクターにとって、手に入れたいカードの1つになると思います。 そのほかに、特定のカードを無限に収集するコレクター、未開封ボックスやパックを収集するコレクターなど、何に魅力を感じるかはコレクターにより様々であり、コレクターのこだわりです。このように、好きなカードをたくさん集めて楽しむのも、コレクションの魅力のひとつです。
● 珍しいカードを集める魅力
コレクターは、入手に困難なカードを手にしたとき、嬉しさを友達に共有したくなります。 友達にカードを見せたり、ブログやツイートで喜びを仲間に共有したりできます。
このカードは、筆者が手に入れた、クロニクルの『Witch Hunter』のクリンプと裁断エラーの複合エラーカードです。クリンプエラーは、カードの製造過程でカードがパックプレスに挟まれた時にカード表面に凹凸が残るエラーカードです。このカードは、極端に挟まれてしまい、パック裁断でカードも一緒に裁断され、カード下半分が欠損したエラーカードと考えられます。筆者は、このカードをネットで見た瞬間に「欲しい」と感じ、すぐに購入を決めました。手元に届いてすぐに、SNS で友人と喜びを共有しました。 このように、コレクターは、珍しいカードを手に入れて、自己満足するとともに、仲間と喜びを共有することもコレクションの楽しみ方のひとつです。
■コレクションの勧め
マジックのカードコレクションには、多彩な楽しみ方があります。もし、あなたに、気になるカードがあれば、ネットのフリマサイトやオークションサイトで探してみてはいかがでしょうか? きっと、あなたが求めるカードが見つかると思います。 今回は、コレクションの魅力の一部をご紹介させていただきましたが、コレクションにはまだまだ奥深い楽しみ方があります。また機会があれば、経験談などを交えたマジックのカ ードコレクションの魅力を紹介してみたいと思います。
-------------------------------------------------------------------------- 筆者プロフィール : MTG コレクターJP(ブリス) MTG のカード収集をマジック発売の初期から続けているコレクター。主にコンプリートセットの数を増やすことを目指し、2019 年に 300 セットのコンプリートを達成。新たに 400セットのコンプリートを目指し収集活動を続けている @mtg_collectorJP --------------------------------------------------------------------------