【後編】コレクター銀蔵さんが語るカオスソルジャーホイルズレ儀式セットを揃えた方法・エラーカードコンテストの影響
magi社長:本日は後編ということで宜しくお願い致します。まだ読んでいない方は前編のこちらの記事(【前編】コレクター銀蔵さんにTCG向けアクリルフレーム製作とGINZO立ち上げの理由を聞いてみた)も是非ご覧ください。
銀蔵さん:コレクションの楽しみ方として、5つほど考えていまして順番に説明していきます。まず一つ目に「仲間との出会い」だと思っています。カードを入手するのはショップやフリマアプリ、ネットオークション、通販等がメインです。特に珍しいカードになると、買取も難しくショップには中々売っていないので、たまにフリマアプリやオークション等に出品されるものを狙うことになります。例えば、特に希少なエラーで人気カードのエラーカードになると仲間内でも真剣な争奪戦になります。一枚しかないかもしれないので。エラーカードコレクター達は、常にmagi様をはじめとするフリマアプリ等に張り付いています。先に購入されてしまったり、競り負けたりするのが常です。
それ以外での入手方法となると個人とのやりとりでしかトップレアカードは手に入らないです。例を挙げると、自分はカオスソルジャーのホイルズレのエラーカードを所有していたのですが、カオスソルジャーのホイルズレがあれば、当然にカオスの儀式(カオスソルジャーの召喚に必要な魔法カード)のホイルズレ欲しくなります。実は儀式のホイルズレは過去に一度だけオークションに出品されて、その時は私は競り負けていまして、とあるエラーカードコレクターが落札して所有していたカードでした。しかし、彼が引退する時に大切にして欲しいと私に託してくれました。こういった数枚存在するかどうかも分からないようなピンポイントなカードは市場にあるものではないので同じコレクター仲間などの信頼が大事になって来ます。時には、かなり遠くまで取引に出向く必要があり、カードを求めて旅をすることもありました。
magi社長:確かにその揃え方は難しそうです。普通に探しているうちに10年かかってしまいそうです。
銀蔵さん:二つ目に「情報収集」が楽しみの一つだと思います。例えば、プロモカード収集時にも共通することですが、その発行枚数や配布のされ方などが気になりますよね。大昔のカードだと特に原点の情報にはなかなかたどり着きません。wikiに書かれていることやカードショップのポップの情報も間違っていたりします。例で言うと青眼の白龍シークレット版(シクブル)が話題になることが多いですね。ジャンプフェスタで配られたカードなのですが、発行枚数、流通枚数については諸説あるカードとなります。ジャンプフェスタがそもそも招待制で1500組が招待されたので1組2枚で計算すると3000枚になりますが、実際どれぐらいいるのかというと少ない気もします。かなり破棄されたという噂もある。全員招待された人が来たとも限らないです。よって流通枚数はわからないということになります。
また、2年前にスターターセットに秘蔵レアが封入されて販売された際に、そのカードが元々どのように配布されたのかという背景を公式がツイート等で発表していましたが、藍眼白龍の公式発表が間違っていました。公式はVジャンプでの抽選と言っていましたが、実はeジャンプでの抽選だったんです。プレステで再生できるソフトウェアが付属していたジャンプのプレゼント企画でした。公式の担当者様も何人も代わっておりますし、マニアック過ぎるので仕方ないと思います。これは当時から遊戯王を集めていたコレクター仲間からの証言が助けになり、確認することが出来ました。情報を集めている時には、仲間達と遊戯王以外にも懐かしい周辺情報に触れられたので楽しかったです。
magi社長:なるほど、確かに諸説あり、正確な情報というのはかなりシビアに見ると担保が難しそうです。エラーカードもそういった背景のリサーチというのがかなり大きなネタになって来そうですね。
銀蔵さん:エラーカードについては情報が体系化されていなかったので、まずはエラーカードコンテストを開催しましてTwitter上で気軽に参加できる形式にしました。エラーカードの会という組織も無い頃の話です。画像情報をTwitterで確認できるようにしました。しゃま様や、ミソ様、みさわ様などの有名Youtuberがこの企画を盛り上げるのに協力してくださいまして、エラーカードコンテスト後には、市場でエラーカードの出品が増えたり、エラーカードコレクターというカテゴリが生まれました。それ以来、エラーカードコレクター達は協力して情報を収集するようになってきたので、エラーカードの会を創設しました。昨年、エラーカードの会では、エラーカードの情報を集めて、体系化することで同人誌も出しております。
magi社長:エラーカードというカテゴリは比較的最近生まれたものなのですね。面白いです。
銀蔵さん:当然エラーカード自体は昔からあったものですが、エラーカードコンテストまでは、書籍としても、ネット上にも体系化された情報は無かったです。その何もない所で情報収集とコレクター間の交流を目的として、エラーカードコンテストを開催しました。当時は枠ズレや文字ズレぐらいしか市場にほとんどありませんでしたが、それからエラーカードの中でも希少で、見た目的にもインパクトがあるホイルズレというエラーカードが初めて大きな売買実績として出てきました。最初のエラーカードコンテストから数ヶ月後にカオスソルジャーのホイルズレがヤフオク上で100万円の価格で落札されたのです。今では4〜500万円するシクガールやエビルナイトも当時はそれ位の値段でした。これは海外のコレクターの間でも話題になりました。「エラーカードは高く売れる」という認識され、それ以来ですが、押し入れにある遊戯王カードにエラーが無いか見てみようという動きが出てきたことで、以前よりも珍しいエラーカードが発掘されて、市場に出るようになってきているように思います。
magi社長:価値があるということで掘り起こされ、エラーカードのカテゴリーが確立されていった背景、非常に興味深いですね。デュエルマスターズなど別のカードゲームでも「デュエマクラシック」というカテゴリが生まれたことで初期のスーパーレアなどの価値がここ数年見直され、掘り起こされてきました。
銀蔵さん:話を戻しまして、第三のコレクションの楽しみ方として、「飾り方」があると思います。購入するということ以外で楽しむことは出来るんですね。アクリルフレームの話でもここは説明しましたので短めにしておきます。第四に、「イベントの企画」という楽しみ方があります。これは発展的な楽しみ方かもしれませんが、エラーカードコンテストもその一つです。その他にも、カードの展示の企画などをしています。よりコレクションカードを輝かせるにはというテーマで昨年開催されたイベントVABELでは、展示依頼がエラーカードの会にありました。ショップなどで見れるカードではなく、そのイベントに来ないと見れないような希少なカードを展示して欲しいと依頼されたので準備しました。
そして、第五に「様々なコレクションの切り口」というものがあると思います。TCGには、初期(クラシック)、プロモ、未開封、多言語、特定のレアリティ、特定のカード、そしてエラーカード等の様々な切り口でコレクターがいます。あるいは、多くのカードを集めなくとも、エラーカードのような自分だけの究極の一枚を探し求めるというのもアリだと思います。TCGは自分の興味を持ったカテゴリ、自分に合った集め方で、コレクションすることを自由に楽しめるものだと思います。また、コレクションの仕方、飾り方などにはルールが無いですよね。プレイヤーとしてカードゲーム始めるのと、コレクターとして始めるかで比較すると、コレクターの方はコレクションの仕方にルールは無いので簡単に始められます。値段の高いカードの入手になると知識がないとリスクがありますが、例えば数百円程の安いカードを集めるだけなら、そこまで身構える必要もありません。
magi社長:コレクションの楽しみ方の解説、ありがとうございます。GINZOとしての次なるステップについてお聞きできれば幸いです。
銀蔵さん:まだ情報は明かせませんが、アクリルフレーム以外についてもコレクターの役に立てる新商品を考えています。「新しい未来のカタチを創る、TCGの概念的革命」というのを企業理念、事業理念にしています。今現在の一般的なカードコレクターの人達だけがわかる魅力に加えて、広く社会の人達も惹かれるような新たなカードの魅力を引き出せるように、カードのコンセプトを変えて行けるように挑戦していきたいと考えております。コレクション用サプライ等を更に開発、専門雑誌の出版等を通して、コレクターのパイをもっと広げていきたいですね。
magi社長:最後に皆様にメッセージがあればお願いします。
銀蔵さん:「TCGの概念的革命」を一つのテーマに掲げてやっていきたいので、今後のアクションに注目していただきたいと思います。新しいTCGのコレクション文化を皆様と一緒に創っていきたいと思っております。今後とも、よろしくお願いいたします。
銀蔵さんの方でエラーカードやアクリルフレームを今後出品していくアカウントを開設いただけましたので是非ご覧ください。既に貴重なエラーカードの出品が出始めております。
銀蔵さんTwitter:https://twitter.com/ginzo_tcg
magi社長Twitter:https://twitter.com/terumagi