WotCのデュエマ愛!アメリカで再始動したKAIJUDOを徹底解説! | なず
みなさんこんにちは!海外版デュエマコレクターのなず(@snowfaily_dm)です。 この連載も始まってから結構経ちますが、これだけ続いていると記事を書かないと判らない様な色んな発見があったりします。「もしかして○○が存在するのでは?」「××に△△のヒントがあるのでは」等...。そう、以前にも書いた通り1つ記事を書くとネタが2つくらい浮かんでくるんです。 しかし、やはり海外版デュエマは明らかになっていない情報が多すぎるという性質が強く、仮説はあるものの検証が困難な為に謎が謎を呼びっぱなしになるという地獄みたいな状態になる事が多いです。めっちゃモヤモヤします。 そんな中、(一応)海外版デュエマの中では比較的情報が多いのがデュエルマスターズから派生したWotC製TCG、KAIJUDOです! 今回はこのKAIJUDOについてご紹介したいと思います!
Rise of the Duel Masters
海外版の初代「DUEL MASTERS」では、怪獣(クリーチャー達)を極める道としてKAIJUDO(怪獣道)という言葉がしばしば宣伝に用いられていました。 海外版デュエマそのものは2006年に終了してしまいましたが、その後2012年にデュエマを元に開発された新TCG、「KAIJUDO」がリリースされる事となりました! KAIJUDOは当然KAIJUDOであり、デュエマとは厳密に異なるゲームで互換性もありません。しかし、KAIJUDOには日本語版デュエマのイラストが頻繁に採用されており、ブースター第一弾とアニメのタイトルはなんと「Rise of the Duel Masters(デュエルマスターズの夜明け)」です! 「Rise of」には「立ち上がる、台頭、反乱、出世、進歩、繁栄」等の意味があり、WotC社の「TCG業界にデュエルマスターズで再び挑戦しよう」という意気込みが強く感じられますね。あくまで別TCGですが、かつてのデュエルマスターズへの愛が伝わってきますね。
ルールの違い
基本的にはデュエルマスターズと同じです。日本語版との違いとしては ・先攻後攻の決め方が指定されていない ・デッキは40枚以上なら何枚でもOK ・同名カードは3枚まで ・マナゾーンの文明ルールがデュエプレ仕様 といった部分が挙げられます。 デッキは40枚以上というのはかつての海外版デュエマと同じですが、それに加えて同名カードは3枚までという制約が追加されており、デッキ構築の難易度が少し上がっています。デッキ枚数と序盤のキーカードのバランス取りが難しそうですね。 その一方でマナのルールが簡略化されており、「マナゾーンに使いたい文明が1枚でもあれば、その文明のカードを使用できる」という仕様になっています。これは後にデュエプレでも採用された方式ですね。 これにより多色デッキを組む難易度が大幅に下がっており、構築の自由度が増しています。
カードの仕様
カードの仕様にも様々な変化が起きています。まずは裏面がギラギラしたデザインになっており、表面も同様にモダンなデザインです。初期のデュエマでは全体的にmtgの作風を引き継いで如何にも古風ファンタジーな雰囲気でしたが、KAIJUDOではそれらのカードよりは比較的新しいイラストが多く使用されています。 「俺の事はボブって呼んでくれていいんだぜ!」 - Tasturion
カードの見方は概ね変わりありませんが、「マナコスト」は「カードレべル」という言葉に置き換えられています。また、レアリティが独自のマークではなく星の数で表される様になっており、そのカードがどれくらいレアなのかが直感的に分かります。 最大レアリティは★5で、カードが白枠に変化します。私たちデュエマプレイヤーにとって白枠(銀枠)は構築済みデッキの仕様であり、つまりあまり珍しいという感覚ではありませんが、海外のKAIJUDOプレイヤーには白枠は貴重なものという認識があったのかもしれませんね。 その他、プロモカードでは金枠や各文明のカラーに合わせた色の枠もあります。
色々違う!?KAIJUDOのカード達
ゲームの紹介もそこそこに、KAIJUDOとして生まれ変わったいくつかのカードをご紹介いたします!日本で長年デュエマに親しんできた私たちには不思議なカードが盛り沢山ですが、見ていると「確かに」となります(笑)
「破壊の将軍 トロックス/Trox, General of Destruction」
レベル7 パワー6000 シャドウ・チャンピオン ★★★★ ・ダブルブレイカー(子のクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする) ・引き裂くオノ - このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のパワー4000以下のクリーチャーを1体退場させる。 「叩き潰せ。」 - The Choten(アニメの敵キャラ) イラストは日本語版の「凶骨の邪将クエイクス」。名前は英語版デュエマと同様ですね。 KAIJUDOでは全ての能力に名前が付けられており、クエイクスには「引き裂くオノ」という新能力が与えられています。 ちなみに日本語版の「破壊」(英語版ではdestroy)という表現はKAIJUDOでは「Banish」という表現に置き換えられており、直訳すると「追放、追い払う」という意味になります。 追放と言っても遊戯王で言う除外の様な意味ではなく、単純に破壊され墓地に行く、と同様の意味合いです。KAIJUDOはその名の通り怪獣同士を戦わせるゲームなので、負けた怪獣は文字通り戦いの舞台から退場するという事なのでしょう。
「芽生え/Sprout」
レベル2 ★ ・シールドブラスト(このカードがブレイクされたシールドから手札に加わる時、コストを支払わずにこの呪文を唱えても良い) ・デッキの上から一枚を自分のマナゾーンに置く。 「アーデュの森ではマナが雨の様に降り注ぎ、大地に浸透し新たな命を育む。」 皆さんこのカードはよくご存じだと思います!そうです!「フェアリー・ライフ」のKAIJUDO版ですね!使い勝手は全く同じですが、イラストが「フェアリー・ギフト」になっているのでデュエマプレイヤーが見ると「ん?」となりますね。確かに会ってはいますが。 「アーデュの森」はKAIJUDO世界におけるフィオナの森でしょうか。 ちなみにプロモでは神化編で登場したアルトアート「フェアリー・ライフ」のイラストが使用されています。
「いつだって旬!」
「祈祷師マイティ・シャウター/Mighty Shouter, the Shaman」
レベル5 パワー5000 ビースト・キーン PROMO 無敵の咆哮 - このクリーチャーが攻撃する時、自分の他のクリーチャーのパワーは+2000される。 「汝をブロンズアームの祈祷師と名づけよう。マイティシャウターよ!」 - Chief Thorn-Bringer 海外版デュエマでは二種類もプロモカードがリリースされ、コミックで重要ポジションに付き、ゲームのパッケージにはふたつ牙を差し置いてアルカディアスの隣に並んでいるという優遇されまくりな無敵の咆哮君です。 何でもKAIJUDOのアニメでもビーストキーン(ビーストフォークにあたる種族)の長として大活躍していたとか...運営のお気に入りというやつですね。
「森羅万象のアンジャク/Anjak , the All-Kin」
レベル5 パワー8000 ビーストキーン ★★★★ ・進化 - 自分の自然のクリーチャー1体の上に置く ・ダブルブレイカー ・大自然と共に - このクリーチャーが退場する時、マナゾーンに置く。 ・サイクルの真髄 - このクリーチャーがバトルゾーンからマナゾーンに置かれた時、自分のマナゾーンからレベル5以下のクリーチャーを1体バトルゾーンに出す。 KAIJUDO魔改造系シリーズの一枚です。イラストは「大勇者 「ふたつ牙」」のもの。 こちらでは自然そのものの化身といったニュアンスの名前と効果を持ち、日本語版でも登場していない独自の効果を持っているのが面白いですね。
「ロケット手首のタツリオン/Wrist-Rockets Tatsurion」
レベル7 パワー5000 アーマード・ドラゴン/ビーストキーン ★★★★★ ・ロケットランチャーズ - このクリーチャーがバトルゾーンに出た時またはアタックする時、相手のパワー2000以下のクリーチャーを全て破壊する。 「こいつは奥の手だ!」 - Bob KAIJUDOにおける主役カードであるTatsurion。日本語版デュエマでは基本形態のTasurionと最終形態であるUltimate TatsurionがBBPに収録されましたが、本家KAIJUDOには他の形態も登場していました。 それにしてもTatsurionのフレーバーに出ていていた「俺の事はボブと呼んでくれていいんだぜ」からの、次のフレーバーでBob表記になっているのは面白すぎませんか?
「羽軸トゲのタツリオン/Quillspike Tatsurion」
レベル5 パワー5000+ アーマード・ドラゴン/ビーストキーン ★★★★★ ・棘の鎧 - アタックされている間、このクリーチャーのパワーを-+5000する。 「俺を追い詰めるなんざ、誰にできねえぜ!」 - Bob タツリオンの新たな姿!攻撃されている間はパワー10000になるという効果を持っていますが、最高レアリティにしては効果が地味な気がします。
おわりに
いかがでしたでしょうか?同じイラストでよく似たルールなのに何処かが違う、そんなデュエマ直系のTCGであるKAIJUDOのご紹介でした! KAIJUDOはデュエマ再挑戦とも言えるゲームで、アメリカではそれなりに盛り上がっていた様ですが、残念ながら2014年に終了してしまいました。ゲームの寿命としては皮肉にも海外版デュエルマスターズと同じ2年間で、WotCが現代に向けて尽力するも、やはりゲームデザインとして現地では受け入れらなかっただろうという結果に終わります。 うーん。デュエマって物凄く面白いゲームだと思うんですが...WotC社もこうして二度もデュエマを出すくらいには自信があって販売していますし、本当に何故売れないんでしょうか...。 という事で以上、デュエマアナザーであるKAIJUDOのご紹介でした! さて最後にいつものをやっておきます! 海外版デュエマを買うならトレカ専用フリマアプリmagiがおすすめです! 使えば使うほどお得なアプリで、私もよく利用しています!さあレッツ沼! magiでKAIJUDOを探す!