【閲覧注意】廃棄される筈だった海外版プロモカード | なず


注意!こちらの記事にはホラー表現が含まれます。苦手な方はブラウザバックするかページを閉じて、どうぞ。) 突然ですが、『マリオネの人形』という北欧の童話はご存じでしょうか? 街に住む人形師マリオネはとても腕がよく、まるで本当に生きているかのように精巧な人形を作ると評判でした。 最初は個人の客の為に人形を作りました。あるいは、彼らの為に新しい衣装や、より優れたパーツを丹精込めて作りました。 彼の名が次第に知れ渡ると、裕福な家庭や貴族が彼の人形を欲しがりました。それから間もなくして、大人も子供も関係なく、家に彼の人形がある事がステータスになるようになりました。 ある日、マリオネの人形を見た領主はその仕事に大層惚れ込み、ある事を思いつきました。「大お茶会」です。それは国中から名のある名家を呼び寄せ、愛らしい人形たちと共にお茶会を楽しむというものでした。 それには当然、沢山の人形が必要です。領主はマリオネに100体の異なる人形を1月のうちに作るように命じます。真面目で誠実なマリオネはこの仕事を喜んで引き受け、5人の弟子たちと工房にこもって昼夜を問わずに人形を作り続けました。 期限まで残り2日を残して、彼らは無事に全てが異なる顔と衣装を持つ、100体の人形を完成させました。既に卓越していた彼らの手腕は今や神業の域まで達していました。それらには文字通り今にも動き出しそうな程に魂が感じられました。 マリオネは100体の人形を並べました。すると、ほんのいくつかの人形の顔の出来がいまいちだと言う事に気づきます。既に完成していた2体の人形については、手直しするよりも作り直した方が早いと判断され破棄、新たな2体の人形が大急ぎで製作が進められました。 2日後、城には完璧に仕上げられた人形100体が届けられました。あまりの出来の良さに、名だたる名家の誰もが賛美と称賛を送ります。お茶会は大いに盛り上がり、領主は社交界でも一目置かれる存在になりました。 更なる地位と名誉を手に入れた領主は翌朝、マリオネに追加の報奨を支払う事を決めました。マリオネを他所の領主に取られたくなかったのです。家来に金貨の詰まった袋を持たせて取り急ぎ彼の家に向かわせました。 家に着くと、家来は違和感に気づきます。まだ昼前だというのに、マリオネの家は真冬の深夜の様に静かなのです。もしかすると一仕事の締めに、真昼間から酒場にでも行ったのかもしれないな、それならば書置きでも残しておこうか。と思いつつ家来はドアを2度たたき、ドアを開けてマリオネの家に入っていきました。 彼はあまりの光景に、その場で立ちすくみました。マリオネと5人の弟子たちは憔悴しきった顔で床に横たわり、すぐそばのテーブルの上にはそれぞれ「ジェニー」「ピエール」の名札が付けられた、満面の笑みを浮かべた人形が置かれていました。

幻のプロモーション・カード、その名は「恐怖の影」

海外版デュエルマスターズの沼はとてつもなく深いです。その中でも最深と言えるのがJDCプロモのナンバーL13/Y2に位置づけられる、「恐怖の影スクリーム・アサシン/Scream Slicer, Shadow of Fear」です。本来のパワーが4000の所をパワー2000と誤植されてしまった為に、実際には配布されませんでした。 しかし何故か、この恐怖の影たったの3度だけ表に出てきて取引される事になります。 (写真はDMC-13 「コロコロ・ニュージェネレーション・パック」に収録された日本語版のもの)

海外版のカードはプロモに限らず、市販されていた以上は一定数の出回りがあります。希少言語のスーパーレアカードでさえ、少なくとも流通させるに十分な数が製造されているはずだと考えられます。 特にJDCプロモなんかは今でも美品のカードを手に入れることができます。WotCは海外版デュエマの展開を終了する際、プロモカードが8枚から16枚封入されたパックを未開封のまま配布したそうです。時折それらを開封したと思われる出品や、稀に未開封のままのパックが取引されていたりします。 それ故市場に出てくるどころか、実物の写真すら1枚しか出てきていない「恐怖の影スクリーム・アサシン/Scream Slicer, Shadow of Fear」は格別に希少なカードだと言えます。その存在の希薄さはまさしくゴーストであり、一度は歴史から葬り去られ様とした事の証明です。 この恐怖の影はこれまでに3度の取引が確認されています。 一度目はとあるアメリカの通販サイト。あらゆるアナログゲームを取り扱う大きな専門店で、記録の上では2枚の取引があったそうです。 どういった経緯でこのお店に入荷したのかは全くの不明です。当時のデュエルマスターズは完全に終わったコンテンツで、その他の何気ないプロモーションカードと一緒に入ってきたこのカードについて、当時の担当は特に何も思わなかった事でしょう。 もしかすると「恐怖の影だけ他のカードと比べて数が少ないな」くらいは思ったかもしれませんが、他のプロモと同じ様な価格で、通常弾のホイルよりもずっと安く販売されました。 その次に恐怖の影が現れたのはポーランドの市場です。以前に所有していたのが誰で何人か、彼がどうやって海を渡ったのかも、もちろん誰にも判りません。 とにかく、それは一度販売され、更にその時の買い手からノルウェーのコレクターの手に渡り、現在も所有されているようです。 以上です。 インターネットで公表されているのはこれら3度の取引のみ。最初のお店の2枚を分けてカウントしてもたったの4回です。 一応以前にアメリカに所有者がいたそうですが、現在どうなっているのかは不明です。ノルウェーのコレクターは自身のもつ恐怖の影は彼の物だったのかもしれないと述べています。 また、もう1枚の恐怖の影はシンガポールにあると見られます。シンガポールはやや遅れてDMが流行し、DM-12までしっかり遊ばれていたという背景がある事から、当時からのコレクターが何らかの方法で入手していたと考えれば、それほど不思議ではありませんね。 ここからは私個人の想像でしかないのですが、海外版プロモの「恐怖の影スクリーム・アサシン/Scream Slicer, Shadow of Fear」は2枚しか存在していない可能性があります。 根拠としてはハッキリした事は言えないのですが、とにかくその出回りの少なさが第一の理由です。次いで、最初の通販サイトで2枚販売されたっきり、その他に流通があったという話は全く無く、この2枚という数字が現在予想されている所有者の人数と一致しているからです。 もちろん、根拠としてはかなり弱いです。しかし、最初のアメリカのお店に入荷した2枚がWotCによる在庫処分品に紛れてしまった、最初で最後の流出品だったとすれば一応成り立ちます。 仮にもっと多くの枚数が出回っているとしたら、その数は8枚から16枚になると考えられます。これは闘魂編期のJDCプロモパックが何枚封入だったかに左右されます。残念ながら私は未だに確認できていないのですが、プロモパックの封入枚数は8枚、10枚、16枚のパターンが確認されており、恐怖の影が1パック分だけ誤って出回ったのだとすれば、このいずれかの枚数になるのではないかと思います。 いずれにせよこれほど出回りが少ない状況を見るに、数が少ないことは確かです。また、前述したプロモパックの「在庫処分」の際には配布されていないと見られ、流出した分を除いて他は処分されてしまったか、初回のテスト刷りの段階で誤植が判明したためにそれ以上は刷られなかった可能性が高いです。 幸いなことに、歴史に葬り去られたかに思われた恐怖の影によって、何らかの悲劇的な出来事が引き起こされたという話は一度も聞いていません。漫画『デュエル・マスターズ』に出てきたオルゲイトの様に、持つべき者の元にたどり着けたということでしょう。

あとがき

いかがでしたでしょうか?「夏と言えばホラー!怪談!丁度題材にするカードも「恐怖の影」で、いい感じにミステリアスな事だし、記事にも書きなれてきたから調子に乗ってみようか!」といったノリで書いてみました。(笑) あ、(冒頭の童話は私がめっちゃ適当に作った創作なので怖がる必要は)ないです。書いててすっげぇ楽しかったゾ~(小並感) 解体人形ジェニーの元ネタとか、それっぽく書いただけって、ハッキリわかんだね。 後味悪いのが苦手な方は 「マリオネと弟子たちが床で寝てたのは納品後に人形の手直しをしてたから」「憔悴してたのは普通に納期がヤバくてコミケの原稿書き終えたみたいになってたから」「人形が満面の笑みを浮かべていたのは職人たちの思いやりが嬉しかったから」 みたいな、ハッピーエンドな後日談が後に続いたという事にしてください。2つの人形はその後街の優しい女の子の手に渡り、末代まで代々かわいがられたという事で。 さて本題の恐怖の影についてですが、若干不気味な表現にしてありますが内容については真面目に書いてあります。海外版デュエマの中でもぶっちぎりのレアカードである事は間違いありません。また、現在の所有者達は手放す気どころか、写真すら公開する気がない様で、入手を望むのであれば3枚目以降の「恐怖の影スクリーム・アサシン/Scream Slicer, Shadow of Fear」を探すほかありません。 また同様の理由で、「海外版カードの完全コンプリート」は実質的に不可能になっています。色んな人が募集をかけていますが、それで手に入れた方はいないのではないでしょうか。 いつかデュエマGPやMAGI MUSEUM等の何らかの機会に、実物が見られる機会が来ると良いですね。 という訳で、今回は以上です。最後にいつものをやっておきます! 海外版カードを買うならトレカ専門フリマアプリmagiがオススメ! この夏の思い出に、運命的な1枚を探してみませんか? 私も出品していますのでぜひ一度、覗いてみてください! magiで海外版デュエマを探す! 海外版デュエマコレクターのなず(@snowfaily_dm) でした!